先日いらっしゃったお客様ですけど、喘息を持つ旦那様が長年羽毛ふとんを使っていたけれど、少し喘息の症状が激しくなって病院に行ったら…
医者に「まだ羽毛ふとん使っているのか?鳥小屋で寝ている様なもんだから早くやめなさい!」って言われて、その奥様が当店に相談にいらっしゃいました。

寒くなって羽毛ふとんを出したらそうなったのかと思ったら、夏でも羽毛ふとんを掛けて寝ているそうで…。
羽毛に対してアレルギーを持っているのか(鳥関連過敏性肺炎なのか)と言う確認をしましたけど、そうではないとの事。
検査を行って鳥関連過敏性肺炎という診断を受けているなら分かるんですけど、そうじゃないのに「鳥小屋」とか「早くやめなさい」なんて事を医者が言っていいのって少しカチンときました。
なので、「羽毛ふとんが鳥小屋なら化繊の布団は石油風呂になりますよ」って話をしました。
化学繊維の原料を辿ると石油ですからね。

そんな化繊の布団は羽毛ふとんと比較すれば保温力も低い、汗も吸わない、快適な睡眠環境を作りたいならまず選択肢には挙がりません。当店の場合、一応商品は扱ってはいますが販売する際にはその様なデメリットを必ずお伝えします。
ちなみに、今回の相談のケースでは化繊の布団への買い替え以外に『こんな提案(方法)』があります。
まず、冬用の羽毛ふとんを年中掛けていられる状態って事は相当ヘタっていて保温力が落ちています。つまり使っている年数が長い。もしくは頻繁に丸洗いを行っている。その状態では羽毛ふとんの生地が傷んでしまって中身が吹き出している可能性があります。

今回の方の様に喘息持ちの方が快適に過ごすには「室内のハウスダストをいかに減らすか」が基本です。すると生地が傷んだ布団を使う事はNGになります。中身が吹き出して、それがハウスダストになりますからね。
この方は長年、羽毛ふとんを使っていた訳ですし、『生地が傷んでいない新しい羽毛ふとんに買い替える事』が1つの方法と言えます。

尚、鳥関連過敏性肺炎の原因となる羽毛についている極小のタンパク質「ブルーム」ですが、日本で主に流通する羽毛ふとんの生地の特性から新品の羽毛ふとんでそれを吸引する可能性は極めて低いです。
日本で販売される羽毛ふとんのほとんどが「ダウンプルーフ」という加工を生地に施して、非常に高気密な生地に羽毛を入れて作るからです。
つまり生地が傷んでいなければ中の羽毛はほぼ吹き出しません。こんな加工を行うのは海外と違って日本だと吹き出した羽毛ふとんは不良品と思われてしまうからです。
これに関してはフランスベッドさんのWebサイトにも載っています。
⇒ https://interior.francebed.co.jp/umoureform/faq/care/allergy.html

また、製造の過程で中身の羽毛をしっかり洗浄していれば付着している「ブルーム」も減らせます。もし吹き出してもその羽毛に「ブルーム」が少なければ発症リスクは軽減されますので羽毛の洗浄は非常に大切です。
出来上がった製品の状態だと中の羽毛をちゃんと洗浄しているかどうかの区別は難しいですが臭いが良い指標にはなります。洗浄が不十分な羽毛ふとんは敏感じゃない方でも動物臭を感じやすいですし、なかなか臭いが取れません。
最近は極めて安価な羽毛ふとんがネットを中心に流通しているので、その様な羽毛ふとんだと注意が必要になってきます。通販では臭いを確認する事は出来ませんからね。
また、量販店の安価な羽毛ふとんが置いてあるコーナーも臭うケースがありますけど、これも気を付けた方が良いでしょうね。

羽毛ふとんを製造するのに必要な材料だって物価高騰や為替の影響を受けているのに価格が変わらない、むしろ安いと感じる羽毛ふとんは何か裏があると思って下さい。
なんと言っても、羽毛ふとんの中身は見えませんから。
そんな理由から、一般の方もそうですけど喘息持ちの方は特に羽毛ふとんを買い替える場合は「臭い」にも着目しましょう。
それから羽毛ふとんが自分に合うかどうか不安な方(喘息の症状が発生するか不安な方)は、生地の傷んでいない羽毛ふとんのレンタルを行っていますので、とりあえずレンタルして喘息の状態を確かめる事も出来ます。サービスの本来の趣旨とはズレますけど、是非【レンタルサービス(レンタルスリープ)】を活用して下さい。
●当店Webサイト(こだわり寝具)
⇒いつもと違う眠りを楽しんでみませんか?
【レンタルスリープ】

また布団とは別の原因として、寒くなるこのタイミングでの症状発生は毛布等の別の寝具を使い始めたという事も考えられます。
寒くなると使い始める方が多い「毛布」は毛羽が立っている製品でハウスダストを溜めやすいですし、毛羽落ちもしてくるのでハウスダストの発生源にもなります。

しかも化学繊維のポリエステルやアクリルの毛布を使っていれば溜めやすいだけじゃなく、静電気によって空気中のハウスダストを集めやすくもなります。電化製品と同じですね。
こちらの方が圧倒的に喘息持ちの方は注意が必要です。今回のケース、相談にいらっしゃったタイミングを考えるとこちらの毛布の方が可能性が高い気がします。
喘息持ちの方の場合は毛布ではなく『キルトケット』や『ガーゼケット』の方がハウスダストを溜めにくいのでオススメです。

ちなみにタオルケットは構造が毛布と似ているので避けた方が良いでしょうね。
そんな事情もあって当店では寒い季節でもキルトケットやガーゼケットを販売していますよ。
販売しているキルトケットやガーゼケットは当然「自然素材」です。掛ふとんの内側(肌側)に入れて使う事も出来ますし、ご家庭で簡単に洗えます。それと思っている以上に使うと暖かいですから。
また、布団を掛けた時のヒンヤリ感が嫌で毛布をしたい方の場合は、「自然素材」で作られた『ガーゼ生地のカバー』や『ニットのカバー』なら一般的な平織り生地のカバーを掛けた時よりもヒンヤリ感を感じないで済みます。

それからこの布団カバーですけど、最近は化学繊維の生地を使ったタイプが非常に多いです。特に寒くなると化学繊維でモコモコの毛布みたいな生地を使ったカバーもよく売られていますが、これもハウスダストを溜めやすく集めやすいので注意しましょう。
このタイプのカバーは汗吸いも悪いので、掛ふとんが非常に蒸れやすくもなります。もし、羽毛ふとん等の自然素材の掛ふとんを使っていても、このカバーを使ってしまったら良さが出ません。個人的には非常にデメリットの方が多いカバーだと思っています。

こんな感じで、この手の相談でいらっしゃったお客様には
「本当に羽毛ふとんが悪いのか慎重に見極めて欲しい」
「羽毛ふとんをやめて化繊の布団に替えた事で睡眠の質を落としたらもっと体が悪くなる可能性がある」
って、寝具と睡眠の専門家としての意見を伝えます。
ただ、医者と私の言葉では感じる信用度が違うので聴き入れてもらえないのが現実で切ないですけどね。
医者が言うんだから何も考えずに化繊の布団を売れば良いのかもしれないですけど、なんか嫌なんです。

そんな私で良ければ睡眠や寝具に関するお悩みはささいな事から相談して頂いてOKです。電話やメール、各種SNSでも受け付けていますし、お気軽にどうぞ。
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