中国国防部は、北京時間3月31日10時46分(UTC協定世界標準時同日02時46分、日本時間11時46分)、名目上の技術実験衛星「実践十一号06星(Shijian 11=SJ 11-06)」を搭載した長征二号丙(CZ-2C)ロケットを、酒泉衛星発射センターから打ち上げた。

NASA SPACE FLIGHTなど複数のメディアによれば打ち上げは成功したとされ、アメリカ戦略軍のレーダーも、軌道上に物体を補足し、成功を確認した。

SJ11-06軍事衛星打ち上げ


「SJ 11」シリーズはこれまで5機打ち上げられたが、4号機は打ち上げに失敗しており、今回が6号機ではあるが、5機目となる。
「SJ 11」シリーズは、名目上は宇宙科学実験と工学実験を目的とした衛星とされるが、事実上のミサイル早期警戒衛星であり、その性能などは明らかにされていない。

過去に中国国営放送が「SJ 11-02」とおぼしき衛星の写真を放送したが、この写真とこれまでの衛星の動きから、欧米の軍事関係者は、軍事施設の秘密情報収集とミサイル早期警戒衛星であると伝えている。



基本衛星バスは、中国航空宇宙科学社と東方紅(DongFangHong)衛星会社の「CAST-968」で、重量300kg、設計寿命・不明。
アメリカ戦略軍のレーダーによれば、同衛星は高度691km × 700kmと684km x 749kmの低軌道から傾斜角98.14度の軌道で運用されており、今回も同様の軌道に乗ると思われる。

地球軌道上の全ての人工衛星を監視する米国宇宙監視ネットワーク (Space Surveillance Network=SNN)による、「SJ 11」シリーズの軌道配置は以下のようになっている。



今回の長征二号丙(CZ-2C)ロケットの打ち上げは、当初年次予定にすら入っていなかったが、今日の時点で中国のロケット打ち上げがようやく2014年末までの予定に顔を出した事から、今後、打ち上げ日の調整と確定が行われるものと思われる。