「支店長、
新潟まつりなので、
今日はこれで失礼します」

新入社員の頃、
新潟まつり・大民謡流しの夜は
櫓の上で樽を叩くために
私は会社を早退していた。

会社で着替えて
樽を叩くバチを携えて
持ち場の櫓に向かった。

大民謡流しでは
汗びっしょりになって
樽を叩いた。

私のバチで踊り子たちが踊るのが快感だった。

櫓の上から見る民謡流しは最高だった。


結婚して、長岡に移り住んで、
もう民謡流しで 樽を叩くことはなくなったけれど、

長岡花火では 裏方?として、販売の仕事をしている。

仕事は違うけれど
汗びっしょりになって
まつりを身体で楽しんでいるのは同じ。

今年も無事に長岡花火が終わった。

日本一の 長岡花火大会。

単に規模の大きな花火大会は他にもあるけれど
この花火大会は慰霊の花火大会。

花火を見ていて、
気がつくと、隣に故人も一緒になって花火を見上げている。