今日は千葉心身医学研究会でした。世界的に糖尿病対策運動が活発になり、世界糖尿病day(この日はインスリンを発見した研究者の誕生日)が制定されています。http://www.wddj.jp/

 特別講演は東大の門脇教授でした。先生はアディポネクチンを動脈硬化のリスクファクターとして研究されています。血糖降下剤でアディポネクチンを増加させる薬剤はアクトスのみのようです。この薬をベースに、血糖をコントロールして、血管合併症を30%低下させる介入試験のJ-DOIT研究の紹介がありました。この中で、日本版DPPライフスタイルサポートを使った行動療法の紹介がありました。LDLやHbA1cの達成目標を高くすると改善率が良くなる事が興味深かったです。また、先生はロンドンの糖尿病会議に出席されて、メタボリックシンドロームの国際的統一化の動きがあるとの事でした。また、うつ病とメタボリックシンドロームの関係では糖尿病患者がうつ病があると死亡率が54%高くなります。
 
文献的には「うつ病は高血圧、糖尿病の危険因子で冠動脈疾患に対しての相対危険率は約2倍であるRonzanski A et. al. Circulation 99 : 2192-2217, 1999 。またSSRIの中ではCYP3A4やCYP 2C19を阻害するフルボキサミンよりもCYP2D6を阻害するパロキセチンの方が比較的安全ではないかと考えられる。」と社会保険病院の池田眞人先生が報告しています。