ビジネスホテルで眠れぬ夜を過ごす

邦夫さんからは何度も着信があった

もし浮気相手が元嫁じゃなかったら

私は許せていたのかもしれない

でも、元嫁との浮気だけはどうしても許せなかった


朝方には気持ちも完全に吹っ切れていた

離婚したとして気になるのは継子のこと

でも子供たちには父親も母親もいる

私はただのお世話係

もちろん子供たちはそんな風に思っていないだろうが

現実そうだ


その日の夜、邦夫さんに離婚を切り出した

邦夫さんはひたすら謝罪の言葉を繰り返したが

私は離婚の意思が固かった

が、離婚するにしても私には一人暮らしする資金が無かった

自分のお給料もバイト代も

全て生活費と子供名義の通帳に入れていた


義両親を交えて話し合い

義父が慰謝料として100万渡してくれたが、若かった私はそのお金を受け取らなかった

義父から受け取るのは筋違いだと思ったのだ


私は100万貯めて、この家を出ようと決心

継子たちには私から話した

中学生と高校生の継子たちには複雑な話だったと思うが、私の味方をしてくれ両親を非難した

そこから家庭内別居

1階で邦夫さんが生活し、私は2階で継子たちと生活

今考えても不思議だが

家庭内別居に入ったことで、なぜか継子たちと私は絆が深まった


私は昼も夜も働いた