19下半期 スクール・ダイバーシティ① 6月末―文化祭まで | スクール・ダイバーシティ

スクール・ダイバーシティ

成蹊高校生徒会の1パートとして活動しています。あらゆる多様性に気づく繊細さ、すべての多様性を受け止める寛容さ、疎外や差別とは対極にあるこんな価値観を少しでも広く共有したいと思って活動しています。

 2019年もあとわずか、ということで、今回はこの19年下半期を振り返りたいと思います。いつもはこういう区切りはやらないんですが、すでに同じような口上で上半期を振り返っているので、下半期もやっておかないとなんだか収まりが悪いというか。まあ、とにかく自分たちの整理にもなるし、はじめてこのブログを見る人も、なんだかイメージがつかめるのではないかとも思っています。これもそのとき言ってましたが。

 とにかく、学期末も、夏休みも、テストがあっても、冬休みも、ときに一気に、ときにじりじりと活動をつづけました。では、さっそく。

6月
6/27:TV朝礼&dunch 「なんだか“いいこと”しにくくないですか?」
  これが結局今年度文化祭トークライブのテーマになりました。「いい

  ことしにくい社会でもダイバーシティ!?」というタイトルです。詳細は 

  のちほど。

7月
7/17:TV朝礼 「ゲリラニッティングってなんだ?」
  文化祭で今年もゲリラニッティングやることになって、それで、ゲリラ

  ニッティングとそのコンセプトの紹介です。こんな感じ。

         「編み物でもダイバーシティ⁉-2019」
             灼熱の夏も、女も男も、
           好きなところに編み付けろ!
            好きなように編み付けろ!


   つまり「予想を超えて編み付けること」をいい、「編み物と言えばマ

  フラー」とか「寒い冬」とか、そして「女性」とか—そういう「あたりま

  え」や「らしさ」を取り払おうというのが「ゲリラニッティング」の大事な

  目的です。例えば、フィンランドでは、「ヘビメタに乗りながら編む」と

  いう、まさかのパフォーマンスの世界選手権が開かれたりしてます

  ―ということを紹介して、いっしょに編んでくれる仲間を募りました。

7/17:臨時dunch 文化祭の構成を考える
  このあたりで、今年の文化祭が見えてきたように思います。恒例に

 なりつつある「スクール・ダイバーシティダイバーシティってなんだ?」

 「ダイバーシティ・メディアコーナー」「編み物でもダイバーシティ」に加

 えて、「花と男」、そしてトークライブ―というスタイル。

7/20第3回ダイバーシティゼミ
   「AO・推薦用ほか小論文・志望理由書等をダイバーシティの卒業

 生・教員にチェックしてもらおう」―これは、生徒にとっても話を聞く卒

 業生や教員にとってもおもしろいし、めずらしく直接的に役に立つ(苦

 笑)イベントだったと思います。ただ、ちゃんと考えようと思うと4人がマ

 ックス―ということで、次回に持ち越し。
  卒業生の卒論構想報告&討論もやりました。社会学です。社会的な

 タブーがどう構成されてきたか、例えば「不倫」なんかがどう語られて

 きたか。ダイバーシティな観点としては、そこにジェンダーバイアスの

 問題を見出すことはむずかしくないでしょう。  

8/18第4回ダイバーシティゼミ
  今回もこれやりました。「AO・推薦用ほか小論文・志望理由書等を

 ダイバーシティの卒業生・教員にチェックしてもらおう②」
 このときは、海外大学に進学した卒業生にも来てもらって情報を共有

 しました。
  また、文化祭トークライブ「<いいことしにくい社会>でもダイバーシ

 ティ!?」構成案を卒業生に聞いてもらうとともに、「ダイバーシティ」の

 概念の一般化、陳腐化をどう考えるかというめんどくさいテーマにつ

 いての報告も。これについてはこちらを。
  
https://ameblo.jp/sksd14/entry-12510137245.html
 
8/30文化祭トークライブ準備勉強会
  夏休みの終わりにトークライブチームで集まりました。「<いいことし

 にくい社会>でもダイバーシティ!?」準備勉強会―課題文献を読ん

 で、「このフレーズ・設定・事例を使いたい!この発想を使いたい!を

 持ち寄ろう!」という感じです。文献は以下の通り。
  ①パオロ・マッツァリーノ『偽善のトリセツ』(河出文庫)
  ②江原由美子「からかいの政治学」(『女性解放という思想』勁草)
  ③これまでのdunch「いいことしにくい社会」論の「まとめ」
  ④参考 白岩玄『ヒーロー』(河出書房)

  夏休みの活動についてはこちらにまとめてあります。
   
https://ameblo.jp/sksd14/entry-12524861401.html

9月
9/5:dunch 文化祭に向けて
  新学期スタート。このあたりからは文化祭中心。トークライブの流れ

 づくり、展示の具体化。テーマカラーを「サフラジェットカラー」に決めま

 した!

9/12:TV朝礼&dunch 「いいこと」やってみよう!―「古着でワクチン」
  こんな話をしました。ちょっとおもしろいと思います。

A 例えば、「困ってる人に席をゆずることをためらってしまう」とか、「なんだかいい

 ことしにくい空気」があって、それはなんなんだろう?―ということを蹊祭でもやろ

 うと思ってるんですけど、今日は、そんな空気のなかでも、いろいろ工夫ができる

 のだ、という例を共有したいと思います。
B 「古着でワクチン」という活動なんですけど(ボード)、まず「古着を送るための発

 送セット」を買います。1セット3000円ですが、その一部はワクチンになって途上

 国の子どもたち5人の命が救われます。で、これだけだと、お金を払ってワクチン

 を届けるというシンプルな支援だし、ちょっと高すぎ感もありますが、ここからで

 す。
A ポイントは古着と余ったお金です。古着は、途上国の販売所で売られることに

 なります。つまり、あの3000円は、ワクチンだけでなく、現地の古着販売運営費

 用にもなっていくということで、だから、このシステムはワクチンと同時に雇用を

 生み出すわけで、これはホントに大きいです。
B でも、ここでもまだ終わりません。古着の売り上げの一部がさらなるワクチン購

 入に充てられるからです。このシステムは、ワクチンと雇用を生み出し、それによ

 って継続的に途上国の子どもたちを救うことを目指しているわけです。
A ちなみに古着を送った人には、協賛企業の商品クーポンが送られます。という

 ことで、なかなかのwin-winだと思うのですが、最後にみなさんに聞いてみたいこ

 とがあります。
B 実際、この支援団体は、ギリギリでやってますが、もしも、これによって大もうけ

 していたとしたらどうでしょう? そうなると、うさんくさいでしょうか?24時間TVっ

 ぽいでしょうか?偽善者に見えるでしょうか?でも現地の子供は助かるし、大人

 は仕事を得ています―。
A というようなことも含め、「いいこと」の難しさや可能性についても議論できれば

 と思っています。よろしくお願いします。

9/19・26:dunch 文化祭に向けて
  このあたりはもう文化祭一色です。いろいろなことを同時進行で。文

 化祭直前情報はここにまとめてあります。
  
https://ameblo.jp/sksd14/entry-12529986219.html

9/27文化祭準備日
  こんなメールが流れてました。あわただしさが… 
 *明日の集合は900!
 *場所は3E教室です。すぐに展示&編み物の作業に入ります。
 *ホワイトパネル搬入は1030!人がたくさん必要です。来れる人は必ず!
 *トーク練習。ホワイトパネルの流れで練習を何回かやりたいです。スクリプト最

  新版はあとで送ります。
 *ダイバーシティなモノ。自分がピンときたダイバーシティないろいろを持ってきて

  ください。一言添えて展示できるとナイス。
 とりあえず、以上よろしくお願いします。


9/28・29文化祭当日
  当日の様子については、こちらに詳細があります。目を通してみて

 ください。展示「花と男」には、そのコンセプトを支えてくれたフラワーデザイナーの佐藤俊輔さんに来ていただきました、ありがとうございます!そして、編み物体験コーナー、今年も横山起也さんに来ていただきました、本当にありがとうございます!
  
https://ameblo.jp/sksd14/entry-12531539743.html

  これはあくまでも担当教員の感覚ですが、あらためて文化祭を振り

 返ってみると、なんだかこのグループ、地力が着いたなという気がし

 ます。もともといろいろな能力を備えていたメンバーが大学生や院生

 や社会人になってさらに力を着けていて、そうして、いろいろな形で

 協力してくれて、そうすると、高校生たちにとって、その水準があたり

 まえになってきているような、そんな好循環が大きいのかもしれませ

 ん。そも意味では、文化祭にダイバーシティゼミをぶつけるというのは

 本当にナイスだと思います。来年も必ず!

9/29第5回ダイバーシティゼミ@文化祭
 ・卒業生による研究報告 「“上級国民”報道について」
  内容的にも盛り上がり的にもナイスで、テーブルも、客席もいっぱ

 い、質問を切るのがたいへんなほどでした。報告は最近ずいぶん話

 題になった「上級国民」というワード、その報道のあり方を問うという

 ものでした。マスメディアとネットの関係、日本社会の階層の問題、そ

 して、「疎外」や「からかい」の問題―。報告を用意してくれた卒業生

 のKさん(慶大3年)、あらためて、ありがとう。

10/3:dunch 文化祭振り返り&「来年はこうしたい」を考える
   編み物体験コーナーにしても、フラワーアレンジメントコーナーに

 しても、とにかくちびっ子が多い。だから、ちびっ子たちを、迫りくる「ら

 しさ」の圧から解放してあげるための道しるべみたいなものを見せら

 れないか?で、そのためには保護者にアプローチしないとダメで、だ

 から、展示・体験コーナー・ダイバーシティメディアコーナーを全体とし

 て「ダイバーシティ・カフェ」にできないだろうか?そこで、大人もダイ

 バーシティな情報、それも気の利いたダイバーシティ情報に触れるこ

 とができるような、そんな仕掛けが有効なのでは?気の利いた本、音

 楽、マンガ、映画、そういったものを紹介するオリジナルの動画が流

 れてる、で、そこでお茶やコーヒー飲めるような空間、これいいと思う

 んだけどどうだろう―というような話はとてもおもしろかったです。実

 現したい。

 ちょっと長くなってしまったので、「19下半期①」ということにして、後半はまた。