櫻葉のお話
BLなのでご注意ください



















翔ちゃんはオレより先輩で
普段も溢れる兄貴オーラというか、頼りがいがあるからプライベートでもすっかり甘える事がある。






「はい、これ」

「え?」

「飯だけで腹いっぱいなったろ?だからデザート食い損ねたしさ。良かったら家で食べてよ」




翔ちゃん行きつけのお店で美味しいご飯を食べて
満足だねー!って店を出た途端

お店の名前が小さく印刷された紙袋をずいっ、と渡される




「えー!なになに?」

「そこのきな粉餅、すげぇ美味いんだよ」

「きな粉もち!?えー!!オレ好き!」

「あっははは!それは良かった」




ほんっっとにスマートに渡してくれるその仕草は、正にできる男って感じで


うっかりポーっとしちゃいそう。




「しょーちゃんってすごいよねぇ」

「何が?」

「ん?こぉやってお土産とか持たせてくれるからさ、すっげぇ大人だなーって!」

「いやいや、現にいい歳の大人だわ」

「くふふ!しょーちゃん、かっけぇ!」

「ふははは!そりゃどーも」




優しい顔に反して、オレの頭をぐしゃぐしゃ撫でる手が翔ちゃんっぽくて心がぽかぽか温かくなった。






そんな風に甘やかして貰ってるからなのか
はたまた、最近よく翔ちゃんとご飯に行ってたからなのか知らないけど




「翔くんとはご飯に行ったよね」

「こないだ行ったな」




番組収録中、オレを間に挟んでそんな会話をする斗真と翔ちゃんに良い気がしない。



…いやいや、前から仲良いのに何で今さらモヤモヤすんのさ?



でもなんか…何かそんな2人の話を聞いてワッと盛り上がる観客とゲストに



オレだって翔ちゃんとご飯いってるから!!!


って謎の対抗心が出てつい





「しょーちゃんとご飯に行くと、お土産もくれるよね」




別に斗真だけがご飯に行ってる訳じゃないし
何なら、斗真だけがお土産もらって優しくして貰ってる訳じゃないかんな!!!



そんな気持ちを込めて出た言葉だったけど




「お土産!?」

「えっ、お土産ってなに?」

「へ?」



思った以上の食いつかれ具合いに、こっちがキョトンとする。




「え…お店に置いてある持って帰れるやつで、しょーちゃんが『相葉くんこれ持って帰って食べてね』って…すごいカッコよくて」

「えぇ〜!?」

「そんな事してるの!?」




皆の視線が翔ちゃんに集まると、当の本人は




「かっこいいかは分かんないけど…お土産渡すの好きなんですよね」



そう言って周りからのヒューを頂いてた。








「相葉ちゃん」



収録も終わって楽屋へ戻る途中、後ろを歩いてた斗真に呼び止められる




「なぁに?」

「翔くんからお土産もらうってマジ?」

「えー?うん、こないだはねきな粉もち貰ったよ」

「ふははっ!きな粉餅なの?」

「すげぇ美味かったよ!」

「ははは、そりゃ良かったね」

「…斗真は?」

「ん?」

「しょーちゃんからお土産。なに貰ったの?」



斗真もあの、濃厚なきな粉が良く合う大きめのぷるぷるしたお餅を食べたんだろうか…?




「ふふ、相葉ちゃんホントすーぐ顔に出るよね」

「へ?」

「今すげぇムスッとした顔してるよ」

「は?はぁ!?し、してないっつーの!」

「あっははは!素直だよねぇ」

「何がだよ!」

「そんな不機嫌にならなくても貰ってないよ」

「誰が不機…ん?」

「お土産。俺は1回も貰った事ないよ」




聞こえた斗真の言葉に、少し間を置いてから小さく首を傾げる




「…え?何で斗真は貰わないの?」

「ふははっ!ねぇ、そんなの俺が知りたいわ」

「やっぱオレのが弟っぽいのかな」

「はい?」

「ほら、しょーちゃん優しいからさ?オレの事を弟みたいに可愛いがってんのかなって」

「翔くんと相葉ちゃんの方が距離感も近いし?」

「まぁ同じグループだし」

「じゃあ、ニノと潤もされてんの?」




言われて過ぎった2人がお土産渡されてる姿に、何だか胸の奥が小さくズキって痛んだ気がする




「そういや…どうだろ?聞いてみよっかな」

「それより本人に聞くのが早いんじゃない?」

「本人?」

「そ。翔くーん」




オレの背後に向けて声を掛けるから
そのまま振り返ると、何故か窓の所で佇んでたらしい翔ちゃんが近付いて来た





「何だよでけぇ声で呼んで」

「あれ?呼んで欲しそうに見えたけど」

「しょーちゃん、窓の所でなに見てたの?」

「……飛行機」

「ふぅん」

「めっちゃ曇ってんのに見えんのかね…」

「あ?」

「いやいや何も言ってないけどね?相葉ちゃんが聞きたい事あるんだって」

「相葉くんが?」




オレの方を見て、優しい顔で待ってくれてるのを見ると


何故だろう??


ドキドキしてきて顔が少し熱い気がする…から思わず下を向く。




「えっと…、あの、しょーちゃんお土産くれるじゃんか?」

「え!?あ、あぁ…」

「でも斗真は貰ってないって言ってて…」

「ねぇ、翔くん静かに睨むのやめて?」

「だからえっと…にのちゃんとまつじゅんには、あげてるのかなぁ?って思っ、て…///」




聞いてる途中で気付いたけど

何でオレは、翔ちゃんが誰にお土産を上げたとか気にしてんの??



しかも上げてたらイヤだなぁ…って思ってるのは何なんだよ!!?





「渡してねぇよ」

「へ?」

「だから。松本にもニノにも、お土産って渡した事ねぇよ」

「えっ!?」

「ぷっ、相葉ちゃん声がすげぇ嬉しそうだけど」

「なっ!///」

「て事は〜??相葉ちゃんが特別って事?」




にやにやした顔で翔ちゃんに聞く斗真。


特別って何が…///



そう思いながら翔ちゃんの言葉をドキドキ待ってたら





「お前には関係ねぇよ。俺らまだ打ち合わせあるし、さっさと帰れよ」





それだけ言うとオレの腰をぽん、と叩くから
斗真と別れて翔ちゃんと並んで楽屋へと戻って行く








「今日の打ち合わせ早く終わるかな?」

「確かこの後、3人はまだ仕事あるしすぐ終わんだろ」

「しょーちゃんは?」

「俺はこれで終わり。お前は?」

「オレも」

「ふぅん…じゃあ、飯でも行くか?」

「!行くっ!!」

「うははは!めっちゃノリ気」

「へへ、またお土産あるかなぁ?」



冗談めかして、今日の今日だから「ねぇよ!」って言われるだろうと試してみた言葉は





「お前にだったら、いつでも用意するよ」




ただただ、大人な翔ちゃんにオレが赤くなるだけだった。












END










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スマホの整理してたから昔の画像とか出て来て
その中にあった懐かしエピから拝借♡
(*‘◇‘)しょーちゃんとご飯いったらお土産くれる
って言ったら斗真ちょっとびっくり顔だったよね*
翔くんは照れくさそうに誤魔化してたけど♡♡笑
(`^3^´)お土産渡すの大好きなんですよね…///
そして後日、潤ちゃんからの
ノノ*`∀´ル 口説かれてるよ 
もうメンバー公認の口説きだったよね〜( ◜▿◝ )笑
よき櫻葉エピでしたっ‎𖤐 ̖́-‬


*お返事まだ滞ってるのでコメント閉じてます。
前回わざわざメッセージからの感想ありがとう♡