給料袋とお父さんの存在 | 交心空間

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◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


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 給料日の夜は一家の大黒柱であるお父さんの帰りが待ち遠しいものでした。
その月の働きに対して支払われた賃金を『給料袋』という形で持ち帰り、サッ
とお母さんに手渡すわけですから、それを見て育った昭和の子どもは「お父さ
んは凄い。ありがたい存在だ」と感謝の念を抱いたに違いありません。そして
食卓にごちそうが並ぶのは、給料日の次の日か、その週の土曜の夜とかで、も
ちろん家族そろっての夕食でした。


 ところが給料の銀行振り込みが当たり前になった今は、その日の午前中には
会社からの入金があるわけですから、お昼にはお母さんが子どもの手を引いて
銀行へ向かいます。ATM(現金自動預け払い機)にカードを差し込んでピピ
ピとボタンを押せば、スーっとお金が出てきます。
「お昼、おいしいもの食べようね」
「うん。ハンバーグがいい!」
「じゃあ、お母さんはステーキにしちゃお」
「やった!」
 こうしてお父さんの帰宅を待つまでもなく、お母さんと子どもは引き出した
お金で、しかも給料日のお昼にはごちそうにありつけるわけです。
 いやはやまったく、給料を引き出すお母さんの姿を見る子どもは『お金はお
母さんがもたらすもの』と勘違いしてしまいます。お母さん株は上昇、うらは
らにお父さんの威厳どころか存在は、給与振り込みによって薄れてしまうので
す……。トホホ。

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