もうタレントではない(東国原知事) | 交心空間

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◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇

 東国原知事が宮崎県新規採用職員の辞令交付式での訓辞で「タミフルを5日
間、飲み放題飲みましたから、きょうは異常行動、異常言動に走るかもしれな
い」と発言した。午後の記者会見で、これに対して外部からクレームがついた
ことを明らかにし謝罪したものの……。


タミフルで異常行動=その後発言を撤回、謝罪-東国原宮崎知事 【時事通信】
東国原知事「タミフル発言」で謝罪 【デイリースポーツ】


 NHKの21時のニュースで謝罪会見の様子が放送されていた。その中で「高
度な本質が十分に伝わらなかった」などと釈明しているが、『高度な本質』と
はどういうものか。
 公式の場、しかも新入職員にとっては社会人として第一歩を踏み出す、その
訓辞で「自身の言動を薬のせいにし、しかもその根拠が明確にされていない事
例をもちだす」とは、どこが高度といえるだろうか。


 このところの東国原知事はバラエティー番組の出演も多いし、そのときの言
動も知事就任の1月に比べて以前のタレント気質に戻っているように感じる。
確かに県民の支持を得て知事に選ばれたが、それに甘んじて調子に乗ると墓穴
を掘りかねない。そのときになって後悔しない自信があるなら、今のスタンス
を貫けばいいだろう。しかしもう「そのまんま東」ではないのだ。選挙当選後
に「東国原英夫」とした以上、それはタレントでなく政治家を意味し、自らが
宣言したのではないか。

 決して「高度」ではないし「本質」も違っている。政治の本質は『民のため』
で、社会人の本質は『責任ある言動』でしょう。愚かなことで失脚し、せっか
くの期待を失望に替えないでほしい……。