読み手に優しい脚本 | 交心空間

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◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇

 脚本の書き方(台詞やト書き)を云々するために、『脚本コンクールで上を
めざす戦略』でまず特徴的な脚本例を掲載しました(3月27日)。今後、これ
について解説していきますが、それに先駆けて熱心な塾生・ライ麦畑さんとス
ペースさんのふたりに「どこが指摘要素か」を投げかけてみました。いわゆる
テストです。
 悪いところを目立つように、しかも多用しましたから、探すのはそれほど難
しい話ではありません。それでもライ麦畑さんは、私が指摘してほしい大きな
箇所を外しました。世の中の悪しき習慣を学んだせいでしょうか、私の目には
書き手本位と映る箇所も、それは問題なしと判断したようです。ちょっと淋し
いです……。


 それはさておき、ふたりとも「全く指摘する箇所はなし」というものではあ
りません。つまり、自身が審査員の眼となり、悪しき箇所を指摘したわけです。
必ずしも私の指摘箇所と一致する必要はありませんが、今後の解説を読んで認
識の違いを検討してしてもらいたいですね。
 そして大事なのは「これはテストだから」と別意識を抱き、自分の作品には
目を向けないで、ふたたび作者主観(本位)になってしまうことです。それで
は成長は鈍足になります。ふたりには、ぜひともこれを感じ、今後のやりとり
(構成や脚本)に役立てて『読み手に優しい脚本』を書いてほしいものです。


脚本コンクールで上をめざす戦略 (2007年3月27日)