人物設定のバランス | 交心空間

交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


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 ドラマ内の番組『アジア・パーティーライン』に参加する人は、まず「電話
を掛ける動機」が必要と考えました。とはいうものの、ミリ、タツ、ブンの三
人は年齢的に若く、番組常連の設定です。三人には「特に動機はなくても問題
ない」といえますが、ミリは最初の登場者なので「アジア旅行帰り」の関連を
持たせました。彼らには別の役割があります。常連である以上、盛り上げ役と
なるミリとブン、「暇つぶしに電話したため」盛り下げ役になってしまうタツ
の設定です。対照的な立場をとらせるもポイントです。しかしながらタツは、
後半に展開を左右する情報提供者の役を担います。
 冒頭にいきなり始まるバトルで、DJは呆気にとられます。そして止め役に
回ってしまうので、参加者自身が展開(話題)を誘導するような台詞を投げか
けます。ミリの「私知ってるわよ。前に一、二回聞いたことある。……」は、
タツの紹介と進行役を兼ねています。そしてタツを焚きつけていきます。この
他、次のミリの台詞はドラマ(話題)を展開させるものです。
  「オバチャン、中国人がどうかした?」……昌枝に振る。
  「今誰かインドネシアって言ったよね」……社長に振る。
  「まだおったんじゃ」        ……タツに振って、追い出す言葉。
  「でもワイワイやってるよ」     ……バトルの終わりを匂わす。
 これらのやりとりに挟み込んで「大らか」「ジョークのセンス」など、東南
アジアの印象を投じていきます。
 ミリ、タツ、ブンの三人と違って、普通では電話を掛けてくるとは思えない
のが、昌枝、マララ社長、綾子の三人です。彼らには、アジアに関連する動機
が必要です。「だからパーティーラインに参加してきた」という理由付けです。
同時に、彼らの動機(言いたいこと)が話の展開となる出来事を設定します。

 三人の動機付けについては次回紹介します……。


ラジオドラマ『アジア・パーティーライン』の脚本はこちらより

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