回想に頼ると説明ドラマになる | 交心空間

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◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


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 脚本に多くみられるパターンがあります。特にコンクールの応募作品に多い
ですね。それは、「過去に囚われて、それを描くのに多くの枚数(シーン)を
費やしている」ことです。
 おおよその人は、主人公のトラウマや個性の裏付けを、過去に遡り「回想」
で、トラウマの原因となるシーンや、その個性が芽生えた生い立ちを書いてい
ます。結果出来上がった作品は、「今ではなく過去を見せただけ」の『説明ド
ラマ』になることに気づいて欲しいものです。


 確かに、脚本の手法に「回想」があります。しかしこれは「便利グッズ」に
すぎません。
 例えば、現実の生活で、みなさんが過去に体験したことを人に話すとき、携
帯電話の画面に自分の過去の出来事を映し出して相手に見せ(伝え)ますか?
24時間自分を撮ってくれるカメラマンがいるわけでもなし、そんなことはでき
るはずもありません。
 でも、その出来事での感情を何とか伝えたいとしたら必死に話すでしょう。
楽しかったことは笑顔で楽しそうに、悔しかったことは怒りを蘇らせて話すで
しょう。エキサイトしたら、身振り手振りを交えて話すでしょう。その必死な
姿こそが「今」なんですよ。「今を生きる姿」に繋がるんです。


 過去はどうでもいいとは言いません。しかし、過去に囚われると、結局その
作者は「今を描けない」という印象が先行してしまい、デメリットになること
を考えてください。
 極端に言えば、「回想を使わない脚本」を書くよう心がけて欲しいものです。

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