第二子の出産が近づいて来た


たまに私にプレゼントしてくれた香水の香りをただ寄せながら帰ってくる

浮気相手に同じ香水をプレゼントして、誤魔化そうとしてるんだろうけど、妊娠中の私は臭いに敏感になっているため、香水はつけない生活をしていた

その香りがするたびに、

あぁ 浮気してきたんだなと思っていた

わかっていても、旦那さんに問いつめることもしなかった


いつか、ちゃんと戻って来てくれると言う思いと、お腹の子の事も考え、胎教に悪いし、小さな息子の前で、ケンカになるような事はしたくないと思っていた


臨月を迎えたある日

いつものように、朝、病院に定期検診に行くと、診察を受けているときに破水したびっくり


出産は2回目とはいえ

やっぱり不安で、すぐに旦那さんに連絡をしたけど連絡がつかないガーン


そく入院と言われだけど、入院用の荷物も持たないで来たので、それを持って来て欲しいし、産まれる事を知らせたかったのに…ショボーン


何度も電話して、

やっと連絡がついたのは午後4時

連絡ついても

すぐには行けないとのこと


…今どこ?


今仕事の都合で横浜にいる

病院に行けるのは

3時間後になるかもと言われた


まあ、すぐにお産が始まり、産まれる状況でもなかったため、待つことにした


2歳の息子と一緒に、旦那さんの到着を待っていた

でもいつ始まるかもわからない

お産を待ちながら、一緒にいるおさない息子が心配だったショボーン


誰が息子をみてくれるのかが不安だった


私の実家は遠いのもあるが、仕事をしている母を呼ぶこともできない


だんだん陣痛が始まり、私はこれからの出産より、私の代りに、誰も息子のそばにいられない状況の方が不安だった


お腹の子に

ごめんね

もうちょっと待ってて

このままだと

お兄ちゃんが一人きりになってしまうから…

もう少し出てくるのを待ってねと、お腹をさすりながら、話しかけた


早く来てよ

なにしてんの?

中々来ない旦那さんに

私は苛立ちを覚えたプンプン


しばらくして、旦那さんが到着

大丈夫?

と声をかけられた瞬間


私は愕然とした


彼から、私と同じ香水の香りがした…

えっ?

この状況で、浮気していたの?


考えられない…

信じられない…


でも、とりあえず息子のそばにいてくれることに安心して

私は分娩室に向かった


無事に出産を終える事が出来たけど…


無事に新しい命をこの腕に抱けたけど、


娘を授かり、本当に嬉しかったけど…


寂しいと言うより、虚しさが心の中に広がっていた


約一週間の入院生活を終え、家に戻ると、息子が待ってましたとばかりに私に抱きついてきた


ごめんね

寂しい思いをさせて

でも、ありがとうね、頑張ってくれて、偉かったね

息子を抱き寄せながら、嬉し泣きする息子の頭を撫でた


一晩そこで過ごした後

実家に里帰りして、しばらく過ごすことになった


実家に帰ると、母が嬉しそうに、息子や産まれたての娘の面倒を見てくれた

産後は大事な時期だから

無理して動かないで、赤ちゃんの面倒だけを見てればいいからと、仕事をしながらも、食事から身の回りの事をしてくて、本当にありがたかった


でも、実家に帰っている間、旦那さんから電話が来ることもなく、もちろん会いに来ることもなかった


それでも、私から一週間に一度

位電話するのだけど、電話の向こうの声は迷惑そうだった


これからどんな生活が待っているんだろうか…

不安はあるが、私が頑張らないと、家族4人で幸せにくらせるように頑張ろう


一ヶ月後に旦那さんが、母に手土産を持って、迎えに来てくれた

母の前では、娘が産まれて嬉しいとか、わたしのことが大事だとか、歯の浮くような言葉を並べていた


それを聞いた母は、

あなたは本当にいい人と結婚出来て良かったわね〜と

嬉しそうに微笑んでいた


母を心配させまいと、旦那が浮気していたり、私と話す時は不機嫌な様子を話せなかった


私も微笑んで母に言った


うん、だから私は不幸だと言ったことないでしょ


この時の私は、私なりにSOSを出していたつもりだったけど、気が付きにくい表現しか出来なかった


でも、この時はまだこれから起こることなど、想像もできなかった