6月15日(金)松山市青少年センターにて中小企業家同友会松山支部例会があり、
「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」に選ばれた理由~求人と教育の実践から、
社員と共に社長が学んだこと~と題して株式会社世起の今村社長の報告があったので、
その内容から気の付いた点など記しておく。

ブラザーシスター制度を作ったが、先輩から苛められて退職寸前だった新入社員に事情を聴き、
5人の先輩全員を呼び出しお互い話し合った後
「彼をやめさせるのは経営指針書に反する。」ということで退職をひきとめた話。
もし経営指針書を作ってなかったら「まあ、そういわずとも・・・」
といったぬるい対応で終わっていただろう、
そういった点からでも経営指針書は作っていて良かったとの今村社長の言だが、
要は「経営理念」を作るにあたって、考えに考え抜いて会社の行くべき道を決めたからこそ、
今村社長の言葉に説得力と求心力があったのだろう。
付け焼刃の「経営指針書」なら社員に今村さんの言葉は届かなかったはずである。

同友会の例会で「社員同士ハイタッチをして笑顔で挨拶して握手をすることが社員のモチベーションを上げ、
ひいては会社の業績アップにもつながった」というのを聴いて、しかしテレ臭さから導入は難しいなと思っていたが、
当時も松山第二支部長の眞鍋さんから後日「皆さんハイタッチは実践してますか、例会は聞きっぱなしではダメです、
まずやってみることです、やって自社に合わなかったらその時考えたらいいのです。」
と言われ、さっそく取り入れることを決意、
社員さんにいきさつを話し、実際に効果が他社で出ている旨を説明して、納得してもらった上で、
「もし、やってみてダメだったらやめるから」と言っておいた。
月曜日の朝にやっているが、結構会社の雰囲気がが明るくなって成功だったという。
この話はいいなと思う。
いいと思ったことを取り入れるのに躊躇したのも、他人の言を聞いて態度を改めたのも、
すごくスーパーマンではない人間らしさが感じられいいと思う。
しかし、私がもっと素晴らしいと思ったのが、
実践するにあたって、きちんと社員さんに理由を説明した上で、行動したこと。
多くの場合、同友会の例会報告に感動して自社に色々なことを取り入れようとするのだが、
失敗することが多いのは経営者から社員への一方的な命令、自己満足に陥っている場合が多いのではないだろうか。
丁寧な説明これこそが社員とのパートナーシップ経営の根本ではないかと思った。

「嫌な人が辞めても、すぐ嫌なひとが出てくる。それは辞めても隠れているのだ。」
この話はあっと思い当たった。
私も勤め人の経験の中で嫌な上司なりお局なりが、やめたはいいが、すぐ誰それが同じになった、
などという話をよく聞いていたからだ。
ただ、これをどのように教訓として有効に生かすかは、私自身、ちょっと分からないのだが。

新人が入社しても3~5カ月は二人で一人分の仕事でいいくらいの考えでやる。
それまではせっかく入社してきても離職が多かった。
無駄が多いように感じられるが、すぐ辞める方がよほどもったいない、
とみんな思うようになった。

まだまだ色々といい話があったのだが、まとめきれてないので今日はここまで。
今村さんは何年か前、伊予松前支部の支部長もされていたが、
月に一度三越の屋上でフットサルを伊予松前支部中心にやっていて私も参加したことがあるのだが、
ご本人が全国出張で忙しい中、フットサルのお世話を熱心にしていて、
その姿に今村さんの誠実な人柄を感じたものだった。
その姿勢こそ「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」を受賞した原因だろうとし、
派手さや華やかさではない、誠意こそ人が持つべきものだとあらためて思い直した。