大宮B L妄想物語。
*閲覧注意*









N.side











智さん家のキッチンで
シチューをかき混ぜながら
まだ帰らぬ家主のことを考えていた。




きっと怒ってるよね。。

部長と2人っきりで会うこと嫌がってたし…


でも、面と向かって誘われたら断われない。

ただ、智さんがいない時に言ってきたのは
たまたまだったのか、 
違和感を持ちながら部長といつもの食事の場に
行った。






スマホをみるが、、
智さんから連絡がない。

今どこにいるんだろう……

いつもはこと細かく連絡してくる人なのに…




シチューも出来上がり、
ソファーに座りテレビをぼっーと観ていた。





玄関ドアが開く音に、
僕はあわてて立ち上がり駆けていった。



「おかえりなさい。」   



「あ、ただいま」



笑顔で出迎えた僕だけど、
智さんは目を合わせてくれない。


やっぱり…の反応だった。




智さんの部屋で待っているシチュエーションは
数えるほどしかないが…

いつもはインターフォンを押して
僕がドアを開けて出迎えているのに…

今日は自分で鍵を開けて入ってきた。

僕がいるの分かっているのにだ。



それだけ怒ってるってことだよね。




「智さん、、あの…シチュー作ったの。
食べるでしょ?」



「ありがとう。」


僕に目を合わせず
着替えの為寝室に向かう。

その後をついていく…


ちゃんと智さんと向きあいたかった。



だって、

何一つ後ろめたいことはないから。。







「智さん…」



「・・・」




「怒ってる…よね。ごめんなさい。」




「・・カズが謝ることじゃないよ。」




「でも、智さんが嫌がることしたし、」


 

「しょうがないでしょ」




「・・・謝らないといけない理由が
もう一つあって…」




「・・・何?部長に口説かれちゃったりした?」



「・・・・」



「まさか、図星!!?」



やっと智さんと視線が合う



「口説かれたっていうか・・・
 智さんとの関係を聞かれて。」



「うん」




「会社の上司に本当のことを言うのは
どうかと思って、ごまかしたんです。」




「うん」




「そしたら、、部長が…
 俺と付き合わないか…って」



「カズは何て答えたんだ?」



「勿論、それは無理です!って言ったよ」



「・・・そしたら?」



大野さんが少し僕に近づいた。



「そしたら、部長がじゃあ…今まで通りこうやってたまに食事に行くのはいいか?と…
でも部長の思いを知っちゃったら
それはダメだから、無理ですって言いました。」



「うん、」



「でも、部長がなかなか引かなくて…
それで僕、好きな人がいるって伝えたんです」



「うん、」



智さんに手を握られた。



「そしたら、好きな奴って大野だろ?って、」



「・・うん」




「それは、相思相愛なんだろ?って、
僕は一切何も答えなかったのに、
なんか、勝手に納得しちゃって。」



「ふふ、顔に出たんだろうな」



やっと智さんは微笑み…
僕の頬に手を当てた。



「/////だから…ごめんなさい。
智さんとのこと部長にバラしちゃって、
これから仕事に影響することになるかもしれない」




「大丈夫。受けてたつよ。」




智さんに抱きしめられた。


僕も背中に腕をまわして
首筋に顔を埋めた。



「ねぇ、聞いていい?」
 



「うん」




「いっぱいモヤモヤしちゃった?」




「・・・したな。
仕事に身が入らないし、
電車は乗り間違えたし、
ここに帰ってくるまでさんざんだったよ。」




「ごめんね。」




「しょうがない。可愛い恋人を持った宿命だな」




「良かった嫌われないで」



「嫌うなんあるわけないよ」



「うん・・・好きだよ。智さん」




そうっと智さんの唇にキスをした。



「カズ…」



逃さないとばかりに
きつく抱きしめられ口を塞がれる。


舌を絡めてくる智さんに僕も応えた。