異世界こぼれ話 その二十九「ロズウェル事件の真実 後編」 | Siyohです

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音楽とスピリチュアルに生きる、冨山詩曜という人間のブログです

前回の最後に紹介した「Dawn of a New Age」ですが、出版物として出たのはイタリア語だけでした。

2003年にペンドラゴンPendragonが出版したという情報があるのですが、これが出版社名なのか個人名なのかわかりません。この本と1997年出版の「The Day After Roswell」の関係について、コーソー・ジュニアが講演で述べた記録をYoutubeで見つけました。

 

それによると、コーソーは生前(1998年没)「Dawn of a New Age」という自叙伝を書き上げて、17冊のサンプルを作り出版社を探してあちこちに配りました。その一冊を見た、ボブ・ラザーを発見した著名なUFO研究家ジョージ・ナップ(異世界こぼれ話 その二十五)が非常に興味を持ち、彼からハリウッドのニール・ラッセルNeil Russellに話が行ったようです。ラッセルは早速出版社を手配し、原稿を元にした「The Day After Roswell」を作り出しました。

 

この出版はかなり急いで行われ、コーソーは出版前の原稿をほとんど確認できませんでした。タイトルに関しても、コーソーに確認を取ることなく、勝手に変えられていました。それで、実際に出版されたものを読んで、彼は怒り出したわけです。また、この本には最初にストロム・サーモンド上院議員の序文が載っています。これは、ペンタゴンの後にコーソーがこの議員のスタッフになったからですが、出版社はサーモンドにどんな本か正確に伝えていなかったのでしょう。単に、コーソーの自叙伝だから書いて欲しい、とか頼んだのかもしれません。そして出版された本を読んで、早速議員の秘書がコーソーの家に「訴える」と言って電話してきました。こんなとんでもない内容の本の序文を依頼されたわけではないということです。

 

コーソー・ジュニアは、晩年のコーソーと3年間同居していたので、この手の電話を受けるのは彼でした。これ以外にも、「The Day After Roswell」の出版の後は、法律関連のトラブルが続いて大変だったそうです。そんな経緯があったからこそ、父親が亡くなってからジュニアが、「Dawn of a New Age」の原稿をあるがままに出版したいと動き始めたのです。

 

Youtubeの講演は2006年のもので、すでにイタリア語版が出ていたものの、オリジナルの英語版出版を実現したい、これに関して利益は一切いらないと、ジュニアはその原稿を持ちながら力説しています。

 

ただ、「The Day After Roswell」の原稿となった「Dawn of a New Age」と、後に無料公開されることになったそれとでは、内容が違うみたいです。現在読めるバージョンには、「The Day After Roswell」の内容に当たる部分の後、他の人達のUFO研究の参照、若い人たちからコーソーに届いた意見などが書かれていて、その後に異星人と会った話があり、最後は目次にある付録に進むことなく、途中で途切れています。

 

「Dawn of a New Age」の出版は現在、ウェブでの無償ダウンロードの形で実現されています。前回、オンラインで閲覧できるサイトを紹介しましたが、実はPDFとしてダウンロードできるサイトもありました。そしてこのサイトこそが、ジュニアに正式な許可を得て、PDF化したマウリツィオ・バイァタMaurizio Baiataという人のサイトだったのです。2010年5月からこちらで公開されています

 

さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからその本の最後に書かれていることを紹介します。

 

コーソーは1957年当時、ホワイトサンズ・ミサイル実験場の一区画にあるレッド・キャニオン・レンジ・キャンプで上級司令官をしていました。そこである日、比較的近くに何かが墜落したのです。彼はすぐ、レーダーが最後にそのオブジェクトを捉えていた場所へと、数人の部下を引き連れて向かいました。すると、遠くからでも、円盤型の輝く物体が砂漠の中に見えます。パイロットは「あれは何でありますか、サー」と聞いてきました。それに対して「たぶん、我々のミサイルブースターだろう」とコーソーはごまかしました。実際この付近には、彼らのミサイル実験の残骸や、R-Cat(無線でコントロールされる飛行物)の破片が転がっていても、不思議ではなかったのです。

 

その日、フライトから帰ったコーソーは、すぐにフォート・ブリス基地のミーティングへと出掛けました。そのミーティングは翌日中かかり、レッドキャニオンに戻ったのは、墜落から二日後のことでした。すると、ホワイトサンズから二人の局員が来て、彼を待っていました。彼らは顔を見合わせながらこう聞いてきました。

 

「二日前、あなたは基地の北西を飛んでいましたが、そこで何を見たのですか?」

「我々の飛ばしたミサイルのブースターさ」

 

コーソーがそう答えると、彼らの口調が脅すように変わり、「本当のことを言わないと悲惨なことになる」と言ってきました。それに対してコーソーは、彼の45口径ピストルが入っている引き出しを開け、こう切り返したのです。

 

「私はこの基地の司令官だ。司令官をそんなふうに脅すのは良くないな。このボタンを押せば、十数人の部下がやってきてこのオフィスを囲む。君たちは我々の管理下にあって、勝手に立ち去ることもできないのだよ。何度か、侵入者たちの服を脱がせて縛り上げ、床に這いつくばらせたことがある。これは脅しじゃない。事実だ。君等のIDと上官の名前を教え給え。」

 

今まで円盤や異星人を見た人たちが、何人も脅しにあってきたのを見てきました。しかし、一つの基地を任される中佐レベルになると強いのですね。しかもコーソーは並の中佐ではありません。彼はその場で彼らの上官に電話し、今までナチやゲシュタポ、KGB、北朝鮮、中国の脅しに屈しなかった自分が、こんな若い奴らの脅しに屈するはずがない、と言うと、その上官は謝罪してきました。コーソーは続けて、彼はホワイトハウスの「Eyes Only(閲覧のみ)」レベルの機密や、その他の機密を見る権限を持っているので、秘密をどうやって守り、何を口外すべきでないかはよく知っている、と伝えました。そして、コーソーを脅しに来た彼らは、納得の上に引き下がったのです。その後コーソーは、墜落現場へ飛行機で飛び、上空から、現場が全てきれいにされているのを確認しました。

 

次はエイリアンに出会った話ですが、これが何年だったのかは書かれていません。彼がこの基地で司令官をしていた1957〜59年の間でのことです。

 

ある暑い日にコーソーは、二人の部下と一緒にジープで見回りをしていました。そのとき、一人の軍曹が「この近くの金鉱に行ってみませんか」と言ってきました。砂漠のホコリだらけの道を外れ、岩山の方に向かい、金鉱の近くで彼らは車を降りました。洞窟に入ると、地面に水が流れています。部下が言うには、カモシカやロバ、コヨーテ、鳥、そして大きなガラガラヘビでさえ、冷たい水を求めてここに来るそうです。そこはまるで、砂漠のオアシスのようでした。 

 

それから一週間くらい経ったある日、コーソーは自然のエアコンを求めて、この金鉱に一人でやってきました。 やわらかい滴る水の音にほとんど催眠状態となり、うとうととしかけたとき、彼は何かを感じ、右手が自然にホルスターへと向かいました。45口径の銃を取り出し、安全装置を外して身構えると、突然ある言葉が頭の中に響いたのです。

 

「やめなさい」

 

水面から反射する光だけの薄暗がりの中、コーソーの目に何者かの姿が見えました。「それ」はヘルメットを被り、銀色に見え、つり上がった大きな目を持ち、額に巻いたバンドには赤く輝いている部分があります。コーソーは跳弾の危険も考えて、銃を撃たずに「味方か? それとも敵か?」と考えました。すると、「どちらでもない」という答えが頭の中に返って来ました。彼と目が合うと、それはこう続けました。

 

「グリーンタイムになったら、10分間レーダーを止めてくれないか?」

 

「グリーンタイム」とは、レッドキャニオン基地がミサイルを発射できる時間帯のことです。この基地はホワイトサンズ実験場の中にあるため、勝手にミサイル実験をすることはできなく、中央から「今から何時までグリーンタイムだ」と言われて、その時間帯だけ実験ができるのです。つまり、コーソーたちにとっては非常に重要な時間帯です。なので彼はこう考えました。

 

「10分間というのはほとんど永遠に近い。見返りはあるのか?」

「新世界を。もし受け入れるなら(A New World If You Can Take It)」

 

ロズウェル事件を知っているレーダー管理者たちは、UFOの墜落には自動追尾型のレーダーが関連しているのではないかと考えていました。そしてコーソーにはレーダーを止める指示を出す権限があります。コーソーはそれほど悩まずに、何も失うものはないと考え、決断しました。彼は銃をホルスターにしまって、ジープに向かい、そこで無線連絡を始めたのです。

 

「ウィリアム士官、今グリーンタイムか?」

「いいえ。しかしホワイトサンズは15分以内に許可できると言っています、サー」

「私は基地に戻っている途中だ。グリーンタイムが与えられたら、ホワイトサンズのレーダーが止まっているのを確認し、その後10分間、我々のレーダーを待機させろ。繰り返す。10分間待機だ」

 

ジープで走り出す彼の目に、鉱山の入り口に立つ異星人の姿が見えました。彼はそれに向かって敬礼をし、その場を離れました。基地に戻ると、ウィリアム士官が、Dバッテリー部隊が80kmほど離れたところを、時速4800km(音速の約4倍)くらいで飛ぶ物体を、レーダーが60秒間とらえたことを報告してきました。当時としてはかなり異常な速度の飛行物ですが、彼らは何度もそうした物体をレーダーに捉えています。コーソーは、先程の異星人が乗っている円盤を、起動直後のレーダーが捉えたのかもしれないと思いながら、Dバッテリーに記録を送るように言いました。

 

「新世界を。もし受け入れるなら」

 

この言葉の意味をコーソーはそれ以来、何度も考えてきました。あの出会いは幻覚で、頭の中の声はすべて自分が作り出したのでは、と疑ったこともあります。しかし1960年、外来テクノロジーデスクの仕事を始め、異星人の解剖記録を読んだとき、彼は、異星人は声帯を持っていないことを知りました。彼らの会話がテレパシーで行われるというのは、非常にあり得ることです。ちなみにあの出会いのとき、異星人の言葉は彼の頭の中に、とても自然に響いていました。

 

コーソーはペンタゴン時代、異星人の技術を使いながら、技術発展を加速させてきました。これが新世界を受け入れるということなのでしょうか。彼はこの言葉について、死ぬまで考え続けていたのだと思います。

 

「Dawn of a New Age」の本にはこの後、外来テクノロジーデスク時代に、オフィスでドイツの二人の科学者を相手に、コーソーがかつて間近にUFOを見たことを話している様子が書かれています。これは1957年のことですが、墜落したUFOとはまた別件みたいです。この頃、コーソーは何度もUFOを見ていたのかもしれません。

 

朝のフライトでUFOが着陸しているのを見つけ、彼は戻ってから再度、今度は一人でジープに乗って、その現場に向かうことにしました。その着陸地点は、基地から20kmくらい離れていましたが、彼の管理下にある区域です。

 

地図にマークしたスポットに着いたものに、そこには何もありません。彼は双眼鏡で周りを見渡し始め、何か揺らめいている、蒸気のようなものを見つけました。その揺らめきを見ていると、突然それは円盤型の、金属らしきものでできた物体になりました。しかし数秒後、それは消えてしまいました。彼はその地点に近づき、しばらくそこで見つめていました。するとまた突然、10分ほど経ってから、円盤は同じように物質化して、また消えたのです。

 

コーソーは時間を測り始めました。物体が見えている時間は48秒。そして12分ほど経つと、また見えるようになります。その、硬い金属のように見える物体に彼は石を投げてみました。石は跳ね返りましたが、ぶつかった音はしません。円盤がまた消えると、コーソーは大きめの石とヤマヨモギを、円盤が見えていたスポットの下に置いてみました。再び現れた物体は、それらを押しつぶし、砕きました。

(ヤマヨモギは乾燥した土地でも生育できる植物。砂漠では夏の終わりごろに枯れてちぎれて、軽い玉のようになり、風に吹かれて転がっている)

 

円盤が見えている間に思い切ってそれに触ってみると、表面はとても滑らかで、砂漠の強い日差しの中なのに、ひんやりとしています。どこにも継ぎ目は見当たらず、鋲やネジも見えません。見えている間、それは電気シェーバーのように振動し続けていました。

 

何回目の出現か、彼の持っているコンパスの針が回転し始め、ガイガーカウンターが反応し始めました。彼はこれが引き際だと考え、エンジンを始動してその地点を離れ始めました。300mほど離れてからエンジンを切り、その地点を振り返ると、物体はゆっくりと上昇し、一筋の光となり、そして消えました。もう見えるのは、空と砂漠だけです。コーソーの目には、消える瞬間の色彩豊かに輝く一筋の光が焼き付いているとのことです。彼はその後、ジープでその周辺を走り、足跡らしきものを見つけました。コーソーの靴のサイズは8C(約25cm)ですが、それと比べると、足跡らしきもののサイズはその半分くらいでした。

 

1960年、外来テクノロジーデスクのオフィスでそんな話をし終わったコーソーは、二人の科学者たちの意見を尋ねました。先に口を利いた科学者はハンス・コーラーHans Kohlerです。彼はその物体がタイムマシンで、どこかがうまく動かなくて調整していたのではないかと言いました。コーソーはフィラデルフィア計画の機密資料を読んだり、他の人は閲覧できない資料にいろいろと触れていたので、タイムトラベルは可能だと考えていました。

 

フィラデルフィア計画は、磁気を用いて物体を、レーダーに対して不可視化するものです。しかしその実験台となった駆逐艦エルドリッジ号は、レーダーから見えなくなっただけでなく、瞬間移動、もしくはタイムトラベルしてしまい、戻ってきた船内の乗員たちは燃え上がったり、凍りついたり、半身が壁に埋め込まれたりと、悲惨な状況だったようです。これがどれまで本当かわかりませんが、コーソー・ジュニアが、自分の父親はこの計画記録を見たり、アインシュタインと何度も話したりして、タイムトラベルの存在を信じるようになったと語っています。

 

次にもう一人の科学者マックスMaxが、その物体は、光を発する人工の重力場を用いて飛び上がったのではないかと言い出しました。コンパスを狂わせた強い電磁波と、ガイガーカウンターの反応からそう感じるとのことです。また、この場は光速をも超えたスピードを生み出すことができ、タイムトラベルもそれで可能になると付け加えました。

 

ロズウェルに落ち、その他にも各地に墜落した円盤はタイムマシンなのでしょうか。エイリアンは異星人でなく未来人なのでしょうか。その答えに迫る本が、コーソーの「The Day After Roswell」をきっかけとして生まれました。それは、2008年に出版された「Alien Interview(エイリアン・インタビュー)」です。日本語版も2015年に出版されています。

 

次回は完結編として「The Day After Roswell」から「Alien Interview」へとつながる流れと、この本の内容、さらに深い情報に迫る予定です。