シスター鈴木秀子の祈り -12ページ目

「気持ちよい」

季節が移り変わるとき、意識しなくても人は何となく不安になると言われます。周りに異動があったり、入学式があったり、多くの変化が起こっています。例えよいことであっても、変化は心に動揺をもたらします。この大震災のあとに、多くの人たちが不安を感じているのは当然のことです。そして不安は、ときには長い時間をかけて、自然におさまるのを待つしかない場合が多いです。余震が間遠になってきた今日この頃、私たちも自分の内面を感じとってみましょう。
不安があることを当たり前と受け止め、不安を消そうとするのではなく、少しでも自分が「気持ちよい」と感ずる状態に、自分を持っていきましょう。「気持ちよい」という感覚には、さわやかさと、他の人と温かくつながっているという感覚が伴います。

祈り
一人ひとりに対する神様の慈しみと愛は、常に変わることなく私たちを包んでいます。実感できなくても、私たちに注がれる神様の愛を信ずる力を与えてください。
そして不安の真っ只中にいても、神様の慈しみを信ずることで、ぶれないように助けてください。何も理解できない幼な子が、母の腕に抱かれるとき、安心が体中に広がるように、私たちにも無心の信頼で心を満たしてください。

両極

私は大学のキャンパスの中に住んでいます。校門から校舎に続く並木道の桜が、今満開です。この地は旧久邇宮邸で、年月を経た桜は深い味わいを見せております。この美しい桜を見ながら、癌で死を目前にしている人が、ふっとつぶやきました。
「今年ほど、自然の美しさを際立たせ、人間の苦しみを際立たせている年はない」
今日本に咲いている桜と、罹災した人たちのことを思い浮かべながら、例年通り美しく咲く桜並木のしたで、亡くなられた方々とご家族のために祈りを捧げました。

祈り
すべての物事が一刻一刻変化していくこの世にあって、常に変わることのない、永遠のものを見つめて生きる力を与えてください。

白い辛夷の並木道

被災地の状況をテレビで見て、祈りながら
街へ出ました。閑静な住宅地の街路樹の
辛夷が真っ白な花を咲かせ、春を告げて
いました。紫の大根の花が広がり、
クロカスも可憐な佇まいを見せています。
未曾有の災害にも関わらず、草にそよぐ風の響き、
木の葉のきらめきにも、大自然の奥深い調和が
溢れています。
地震のあと、世界のたくさんの国の友人から、
お見舞いのメールが届きました。どのメッセージにも
災害にあった人たちの、穏やかな礼儀正しさ、
他の人を思いやる精神力、自分が得することより、
協調し助け合うことを優先させる和のこころなどへの
賛嘆と敬意が付け加えられていました。災害の真っ只中の
日本の人々の間に満ちていた「調和」は、大自然の波長と
同じでした。

祈り

神さま、
津波が川の流れを変えたように、時代の潮流をも変えました。
私たちは、いま、苦しみを乗り越え、新しい時代に歩み入りました。
大自然の根元をなす「調和と協調し合う時代」に向かって、生き始めています。
世界中人々が「調和」に満ち、助け合う温かい人間関係を築きながら、生きる喜びを
味わえますよう祝福してください。