○蘇州で、蘇州古城八門の一つである相門まで出掛けたのは良かったが、雨が降り出して、なかなか相門までたどり着くことが難しい気がした。そこまでして、無理に相門まで行く必要も無い。それで、急遽、相門行きを諦めて、地下鉄に乗り、滄浪亭を目指すこととした。

○今回の旅行で、時間的に余裕があれば、蘇州の庭園を巡りたいと考えていた。蘇州で、庭園は有名である。何しろ、中国四大名园のうち、拙政園と留園の二つは、この蘇州に存在すると言うくらいだから。すでに、今朝、一番に、そのうちの一つ、留園へ出掛けている。

　　・テーマ「寧波・杭州・蘇州・台北旅」：ブログ『留园[liú yuán]』

○また、中国四大名園についても、次のブログに書いている。

　　・テーマ「寧波・杭州・蘇州・台北旅」：ブログ『中国四大名园』

　　中国四大名园 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○その中で案内しているが、蘇州にも四大名園があって、

　　沧浪亭、狮子林、拙政园、留园

を指す。できれば、それも見てみたいと思った。それで出掛けたのが滄浪亭だった。インターネット検索すると、次のページがヒットした。

　　　　　　蘇州の四大名園、滄浪亭

　滄浪亭は、蘇州の四大名園の一つで、蘇州の中では最も古い庭園の一つです。唐末の時代に呉越広陵王であった銭元僚が造営したものを、北宋慶暦年間(11世紀中期)に詩人蘇舜欽が改築しています。蘇舜欽は官職を失ってから蘇州に住み着き、この地に魅かれ買い取ったと言われています。滄浪亭という名は、紀元前３世紀頃の楚の政治家、屈源の楚辞という詩から名づけたとされていますが、その屈源の楚辞の一部を紹介しましょう。
　　　　滄浪之水清兮　　滄浪の水清ければ
　　　　可以濯吾纓　　　以って、吾が纓（えい）を洗うべし。
　　　　滄浪之水濁兮　　滄浪の水濁れば、
　　　　可以濯吾足　　　以って、吾が足を洗うべし。
ここで、纓（えい）とは役人の冠の紐のことですが、「滄浪（このやりとりのあった川の名前）の水が澄んでいる時には冠のヒモを洗えば良いし、水が濁っている時には足を洗えば良い。何事も、世の流れに逆らわず臨機応変に対応するべき」という意味になります。ここから「滄浪」とは、世の流れに逆らわず臨機応変に対応するといった意味になります。
　蘇舜欽は自ら滄浪翁と号し、「滄浪亭記」を書き残したそうです。庭園も歴史がありますが、名前の由来も随分と歴史を遡るのですね。そんな歴史も考えながら、滄浪亭の入口に架かる橋を渡っていきましょう。

　　蘇州の四大名園、滄浪亭｜蘇州古典園林の魅力 (e-asianmarket.com)

○少々、長くなったが、これ以上の案内は無い。滄浪亭は屈原にふさわしい清廉潔白な庭園である。心が洗われる。本当は、ここでひねもす過ごすのが作法なのだろう。なかなかそういう余裕が無いのが残念でならない。

○写真をご覧いただければ、お判りの通りである。あらゆる創意工夫の粋がここにはある。そういう仕掛けを楽しむのが、中国庭園を楽しむことなのだろう。中国文学同様、その英知に、驚き、呆れる。

○中国詩人は、自然と人事の融合を図るが、それは庭園でも同じなのだろう。そういう創意工夫を発見する喜びが中国庭園の楽しみ方なのだろう。疲れるほど、あちこちにぞれを見付けることができた。ちょうど、小雨も降って、風情もあった。存分に楽しませていただいた。