天孫降臨の世界山 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○2024年6月1日から3日に掛けて、屋久島へシャクナゲ見物に出掛けて来た。今年の屋久島のシャクナゲは10年振りと言う見事さだった。ブログ『花之江河のシャクナゲ』、『投石平のシャクナゲ』、『投石岳のシャクナゲ』、『安房岳・翁岳のシャクナゲ』、『宮之浦岳・焼野のシャクナゲ』と、ブログでも紹介済みである。

○屋久島への行き帰りに、気になる風景を見ることも出来た。その一つが邪馬台国三山で、前回、案内した通りである。

  ・テーマ「山の博物誌」:ブログ『邪馬台国三山』

  邪馬台国三山 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○もう一つが『八雲立つ出雲』である。

  ・テーマ「山の博物誌」:ブログ『八雲立つ出雲』

  八雲立つ出雲 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○鹿児島湾を船で行くと、そういう風景を存分に堪能することが出来る。鹿児島湾を船で行くことには、そういう感動がある。そういうことがなかなか理解されない。

○そういう意味で、今回は『天孫降臨の世界山』と題して、鹿児島湾を船で行く楽しさを紹介したい。まず、日向神話の話から始めたい。日向神話とは、何か。ご存じだろうか。

○現在、なかなかそういう話をなさる方も少ない。まず、誰も「古事記」や「日本書紀」など読まない。と言うか、読めない。現代とは、そういう時代である。

○ 結論から話すると、日向神話の内実は、詰まるところ、次の三つの話になる。

  天孫降臨神話

  海幸山幸神話

  神武東征神話

○当古代文化研究所は、日向国にあって、そういう研究をしている。残念なことに、現在の学会では『天孫降臨の世界山』すら、満足に規定できていない。今どき、丁寧に「古事記」や「日本書紀」を読む人など、ほとんど居ないのである。

○ちなみに、「古事記」と「日本書紀」に記された全史実は、次のようになる。

  「古事記」    竺紫日向之高千穂之久士布流多気(つくしのひむかのたかちほの

            くじふるたけ)
  「日本書紀」本文 日向襲之高千穂峯(ひむかのそのたかちほのたけ)
              槵日二上天浮橋(くしひのふたがみのあまのうきはし)
       一書 筑紫の日向の高千穂の槵觸之峯(つくしのひむかのたかちほの

           くじふるのたけ)
       一書 日向の槵日の高千穂之峯(ひむかのくしひのたかちほのたけ)
       一書 日向襲之高千穂槵日二上峯天浮橋

                 (ひむかのそのたかちほのくしひのふたがみのたけの

            あまのうきはし)
       一書 日向の襲の高千穂の添山峯(ひむかのそのたかちほのそほりの

            やまのたけ)

○この全記録が全て、『天孫降臨の世界山』を案内したものであることに、意外と、多くの人が留意しない。逆に、この記録の一部分に合致するところを『天孫降臨の世界山』だと発言なさる。とんでもない誤解である。この記録の全てを充足する山こそが、本物の『天孫降臨の世界山』なのである。そんな山は、世界中、探したところで、一カ所しかない。それが霧島山高千穂峰なのである。

○上記で案内したように、霧島山は邪馬台国三山の一つであることに留意すべきである。

  ・畝傍山=霧島山(1700m)
  ・香具山=桜島山(1111m)
  ・耳成山=開聞岳(922m)

○こういう感覚をもって「古事記」や「日本書紀」は読むべきなのである。そうしない限り、日向神話など理解できるはずがない。そういう意味でも鹿児島湾を通行することの意義は大きい。と言うか、こういう風景を見ない限り、日向神話は語れない。

○鹿児島湾を通行して、『天孫降臨の世界山』や『邪馬台国三山』を眺めながら、そういうことを感じた。