九江から池州へ | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

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○九江から九華山へ行くために、九江長途汽車站から池州まで長距離バスに乗った。九江から池州までは、およそ240劼曚匹△襦

○九江長途汽車站を出発したのが、朝の9時30分であった。バスは古い中型バスで、とても長距離バスの呈を為していない。何より心配したのが、このバスが池州終着ではないことであった。

○中国語のまるで理解出来ない私にとって、途中下車ほど難しいことは無い。それで車掌の男性に、切符を見せ、メモ帳に「池州で降りたい。池州で降ろしてくれ。」と書いてお願いした。

○バスには、運転手と車掌の二人の男性が居て、車掌の男性は切符を見て、「判った。池州で降ろすから、安心しろ」と言うふうであった。座席番号は5番で、席が前から二列目だから、前方がよく見えたので、一応、安心していた。

○このバスの終着地が何処か、確認していないのだが、多分、安徽省芜湖市ではなかったか。九江長途汽車站を9時30分に出て、バスはすぐに高速道路に入った。しばらく高速道路を走ると、潯陽湖大橋を渡った。ちょうどこの先で、潯陽湖と揚子江が合流するところである。

○その先が湖口県で、高速道路が分岐していて、それを左折し、しばらく進んだところで、高速道路を降りた。九江市と池州の間は、まだ高速道路が繋がっていない。それで一般道をバスは走る。もっとも、このバスは大型の長距離バスではない。だから、もともと、一般道を走るバスなのであろう。

○もちろん、私は初めて見る風景であるから、全てが珍しい。存分に風景を楽しみながらの車中であった。途中、町が出現するたびに、何度も停車発車を繰り返した。しかし、私には何処をバスが走っているかさえ、理解出来ていなかった。

○12時を過ぎても、池州に到着しない。九江市と池州までは、およそ240劼任△襦ほとんど、一般道を走っているのだから、4時間くらい要するのではないかと考えていた。

○13時ころになったら、池州の地名がちらほら見えるようになった。もうすぐ池州だろうと思っていると、とある食堂前でバスは停車した。車掌が何か言うと、乗っていた乗客がゾロゾロ降り始めた。

○様子を窺うと、昼食休憩みたいである。それほど立派なレストランと言うふうでもない食堂で、運転手と車掌は、さっさと中へ入ってしまった。

○この時、乗客は10名ほどだった。長い時間煙草を吸っていないので、まず一服する。昼食をしない人は外で待っているふうである。中を覗いてみると、すでに運転手と車掌は食事を始めていた。

○運転手と車掌の料理を見ると、ワンプレートの定食しか無いみたいである。前の若者が20元支払って料理を頼んでいる。それで私もそこで昼食を済ませることとした。

○料理は、鶏肉の炒め物、野菜の炒め物、ワカメスープ、御飯で、それがワンプレートに乗っている。味も良く、それほど違和感を感じなく、美味しかった。ただ、どうしても、御飯が不味い。仕方が無いから、鶏肉や野菜の炒め物の味を付けて食べるしかない。

○昼食休憩は30分くらいだっただろうか。すぐにバスは出発した。この際、運転手と車掌は交代した。それで私は新しく車掌となった年配の男性に、メモ帳を取り出し、「九華山へ行く。池州で降ろしてくれ。」とお願いする。

○車掌は、親切で、「もうすぐ池州だ。バス停で降ろすから、そこから15路のバスに乗り、池州汽車站まで行け。」とわざわざメモ帳に書いてくれた。

○15分ほど走ったところで、車掌が手招きして、「ここで降りろ。バスは15路だ。間違えるな。」と言うふうに教えてくれた。御礼を述べて、バスを降りた。

○降りたところは、普通のバス停で、特に何も無い。バス停には数人の乗客がバスを待っている。私は15路のバスを確認するために、一番前のバスの案内板まで進んだ。

○15路のバスを確認しようとしたら、バスの案内板の後ろからヘルメット姿の小父さんが出て来て、「俺のバイクで行かないか」としきりに勧める。メモ帳を取り出し、「池州汽車站まで、幾らか?」と聞くと、「10元」だと答える。時間が無いし、バスを待っていても大変だろうと思い、「良い。池州汽車站まで行ってくれ。」とお願いした。

○それから、小父さんのバイクの後ろに跨り、大道を疾走した。それほど大きなバイクではない。多分、125CCくらいのバイクで、それなのに小父さんは結構飛ばして走る。私はメガネが飛ぶのが心配で、片手でメガネを押さえ、片手で小父さんの腹にしがみついていた。道を横切る毎に、大きくバイクは傾く。タイヤが小さいので横転するのではないかと何度も心配した。

○バイクは飛ばして、あっという間に、池州汽車站に到着した。このバイクの小父さんとの遭遇が幸いした。小父さんのお陰で、14時発の九華山行きのバスの切符を買うことができたのである。

○小父さんに「記念に写真を撮らして」とお願いして、バイクの写真を撮った。この小父さんに出会わなかったら、おそらく九華山観光をする時間は無かった。小父さんは救いの神である。と言うか、九華山へ参拝しに行くのだから、お地蔵様の化身に違いない。

○まるで中国語が話せないのに、親切な中国の方々のお陰で、こういうふうに、楽しい旅行が出来る。池州行きの切符を買った際の窓口の女性、バスの車掌、そして、この小父さんと、皆さん親切そのものだった。感謝するしかない。