◯卑弥呼が何者であるかは、「三国志」を丁寧に読んで、その正体を探るしかない。何故なら、卑弥呼は、「三国志」に書かれた史実に過ぎないのだから。したがって、「三国志」に拠らない邪馬台国論や卑弥呼論は、全て、まやかしに過ぎない。

◯ちょうど、一週間前の、2024年3月17日に、『NHKスペシャル：古代史ミステリー第1集邪馬台国の謎に迫る』が放送されて、当古代文化研究所は、その問題について、これまで、次のように論じて来た。

　　・ブログ『NHKスペシャル新シリーズ「古代史ミステリー」邪馬台国の女王』

　　・ブログ『＜邪馬台国＞吉野ヶ里＆纒向遺跡の研究最前線取材で新事実紹介』

　　・ブログ『NHKスペシャル：古代史ミステリー第1集邪馬台国の謎に迫る』

　　・ブログ『NHKスペシャル：古代史ミステリー・邪馬台国の謎に迫る』

　　・ブログ『陳寿の倭国観』

　　・ブログ『邪馬台国と狗奴国』

　　・ブログ『中国の伝統的倭国観』

　　・ブログ『會稽東冶之東』

　　・ブログ『所有無與儋耳、硃崖同。』

◯『NHKスペシャル：古代史ミステリー第1集邪馬台国の謎に迫る』を視聴して、感じたことは、この番組は放送してはいけない虚実の番組内容だと言うことだった。こんな非道い話は無い。まず、「三国志」も読まないで、邪馬台国や卑弥呼を語ること自体が間違っている。

◯番組では、『「三国志」に拠れば』と言う話が何度も出て来た。しかし、全く「三国志」が読めていない。と言うか、中国の史書の読み方をご存知無い方の読み方であることに、驚く。それでは「三国志」は、読めない。

◯そもそも、考古学者先生に「三国志」は読めない。中国の専門史家であっても、読めないのが中国の史書なのである。それが日本の考古学者先生に読めるはずも無い。誰が考えても判ることである。「三国志」本文の丁寧な考証、文献批判を行わない限り、「三国志」が読めるはずも無い。考古学者先生には、到底、そんな時間的余裕など、無いはずである。

◯つまり、最低でも、10年20年掛けて読むのが「三国志」なのである。そうしない限り、「三国志」を読むことはできない。それが理解できない人に「三国志」は読めない。それだけのことである。決して、頭が良いとか悪いとかの問題では無い。読書に掛けるエネルギーが必要だと言うことである。

◯真面目に「三国志」を読むと、そういうことが判る。卑弥呼の現住所も、

　　鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島大字長濱

であることも、はっきりしている。

◯このことを教えてくれるのが、実は大和三山であり、大和国一宮の大神神社であることに、十分、留意する必要がある。大和三山を研究すると、奈良県橿原市に存在する大和三山は、実はレプリカであって、本物は別に存在することが判る。

◯そのことを教えてくれるのが、「万葉集」なのである。実は、大和三山を最もよく表現している書物が「万葉集」であることを、ほとんどの方は、ご存知無い。もっとも、万葉学者先生すら、満足に、そのことを理解できていない。

◯当古代文化研究所は、そういう研究をしている。結果、本物の大和三山は、次のように案内される。

　　うねびやま＝霧島山（１７００ｍ）
　　かぐやま＝桜島山（１１１１ｍ）
　　みみなしやま＝開聞岳（　９２４ｍ）

◯大和三山が二つも存在しては、何とも、紛らわしい。それで、当古代文化研究所では、本物の大和三山の方を邪馬台国三山と命名した。もちろん、そこが邪馬台国の所在地だからである。実は、邪馬台国の風景が邪馬台国三山なのである。

◯卑弥呼の正体が何であるかは、大和国を研究することで明らかとなる。それを教えてくれるのも、実は大和国一宮である大神神社である。大神神社の御祭神は、大物主大神と申し上げて、出雲神である。

◯大和国を領知したのは天皇家であり、大和朝廷であることは、誰もが知っている。ところが、大和国を領知する神は天皇家の神でもなく大和朝廷の神でも無い、出雲神の大物主大神を齋き祀る大神神社であることに、驚く。

◯出雲神の故郷を追い求めると、鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島に達する。したがって、日向国で、最も神聖な場所が当時はこの硫黄島であったことが判る。そういう意味では、大和三山を眺める場所は、三輪山山頂であることが判る。

◯ところが、面白いことに、「古事記」や「日本書紀」では、卑弥呼を大山祇神だとする。それでも、もともとの日本神話では、卑弥呼は天照大御神だとするしかないのに。そういう混乱が卑弥呼には存在する。

◯もともと「三国志」が記録する『卑弥呼』にしたところで、当て字に過ぎない。『卑弥呼』は、どう考えても『ヒムカ』であって、『日向』であろう。つまり、日本の最も古い時代の国名が卑弥呼の名であることが判る。

◯ただ、卑弥呼の正体はそれだけでは終わらないところにある。卑弥呼はこの時代の最先端を走っていた宗教家であることに留意したい。それが「卑弥呼の鬼道」である。スペースが足りないので、詳しい話は次回に繋げるしかない。