娘が帰国して一段落ついたところで

この週末 1泊で フランスとベルギーの国境近くの辺り・・・・に

小旅行をしてきた。

 

今回の目的は ズバリ おいしいムールを食べる

おいしい地ビールを吞む・・・(コレは夫に限る) 

そして かねてから憧憬を抱いていた美術館に訪れる等々・・・・。

 

ちょっと願えば すぐに叶えてくれる夫に

毎度ながら感謝だわ♡←大きく表記したいわね・・・(笑)

 

車で2時間少々で 最初の目的地 ランス(Lens)に到着。

 

わざわざLensと表記しているのは カタカタで「ランス」と書くと

大抵の日本人は シャンパーニュ地方のランス(Reims)を思い起こすから。

 

この2都市 「きちんと」発音できるのであれば 明らかに違う街を指している・・・・と理解できるのだけれど

 

 

 

日本語表記だと 同じ「ランス」だからね 紛らわしい・・・と思う。

 

 

さて

昼時に到着したので まずは腹ごしらえ・・・だ。

 

「おいしい郷土料理が食べられる店」として名高い

Le Pain de la Bouche

を夫が調べておいてくれたので そこに訪問してみた。

 

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写真だとわからないけれど 広い店内だが

古い家屋独特の開口部からの陽光が店の奥まで到達できず

実際は 「ほんとに昼間か!?」というほど薄暗い。

 

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その代わり

各テーブルには 年季の入った ロウソク立てを利用してロウソクが灯されていて

とても雰囲気がよい。

 

地震の多い日本に住んでいるときは 利用しよう・・・と思い立つことは

ほとんどなかったけれど

 

欧州に来て 未だ ロウソクの存在感が如実に感じられることが

ステキだな・・・・と

自分の生活にも 大分取り入れるようになった。

 

こんな風に 長きにわたり 使われ続けてきたロウソク立ても

ステキだな・・・と思う。

 

 

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見渡すと いわゆるブロカント(ヴィンテージもの)が 巧い具合に

装飾に活かされ この店自体が ブロカント&アンティークの店のようなたたずまい。

 

テーブルも全て 違う形だが いずれも相当年季が入っている。

 

 

めちゃくちゃ 落ち着くし カワイイじゃないか!

 

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店内は 昼のピークを迎え 大混雑なのだが

(かろうじて座れた)

 

こう装飾品が 粋だと 待っている時間も 楽しい・・・・。

 

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まずは 夫がオーダーした このエリアの地ビールとして有名な

こちら・・・CH’TI というビールが運ばれ

夫は 喉を潤す。

 

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このビールはベタ誉めしてたね。

サーバーの洗浄状態もよろしいし

新鮮・・・ 何より ご当地で飲むビール。

 

「んまい!」 と 声をもらす夫。

 

「うーちゃんの好みじゃないけれど おいしいよ!?味見してごらんよ!」と夫。

 

私と娘も 一口ずつ口をつける。

 

元々はビール自体が好みではなく

ここ最近 ようやくはまって ビールもうまいかも!?と

思うようになったのがキッカケはベルギーのヒューガルデン。

それから白ビールに関してだけ 

好きになった私には やはり 「新鮮で旨い」のはわかるが

苦手だな・・・と正直な感想をもらす。

 

大学で 飲む機会も増え(のん兵衛ではないが・・・・)

それまでに詰め込んだ知識と 舌先で実際に感じる味覚の

調整中(笑)の娘は 脳内でこの北フランスを代表するビールの味も

舌先で転がしインプットしていたもよう・・・(笑)

 

酒が解禁になる年齢の前でも 親と一緒なら

アルコールに接する機会がすこぶる多いフランスで

我々親も「少し味見してみる?」と問うたことは数知れず・・(笑)

 

でも 真面目・・・な娘は 法律を遵守する!と

味見だけは回避してきたものの

 

我々の住んでいた場所柄

それはそれは多数の ワイナリーを訪問したり、生産者と触れ合う機会に

恵まれてきた。

 

ワインに留まらず

ビール、コニャック・・・・等々

生産者自らが説明をしてくれて

個人的な見学を繰り返してきているので

一般の日本人のお子の中では

すこぶる知識面では恵まれているかな。

 

娘の通う大学では 

各カレッジとも資産運用の1つとして

非常に古い時代からワインを大量に購入し

保存しておく習わしがあるようなのだが

 

フォーマルディナー(正装でのぞむ)では

料理に合わせ 白、赤、そして デザートとして

ポートワインまで愉しめる(?)

時折 それに 祝いの席ではシャンパーニュも加わるそうで・・・・

その充実度は目をみはるほど。

 

(無論 教授陣と学生との間には差異はあるはずなので

学生が高価なワインを吞めているとは思わないが・・・・

夫は どの程度のものが 出されるのか

銘柄を教えろ・・・と(笑))

 

「そういえば ようやくギネスを吞んだよ!」

 

かつて ただの工場見学に留まらず

吞まぬのに(笑) 眩いばかりのVIPルームでの試飲まで

付き合わされた娘

興味深い 黒いビールに 好んで手を出してみたそうな・・・(笑)

 

そんな風に

かつて 我々と共に訪れたワイナリーや

ビール工場に思いを馳せ

料理が運ばれるまで しばし

夫と酒談義に話を花を咲かせる。

 

この子が 酒の話を・・・・・!?と

その年月の経過に一種の感慨を覚える・・・。

嗚呼 やはり 私は老けるわけだわ・・・・(笑)

 

無論 我が家では

家吞みは極力抑えるようにしているし

娘も 率先して大量に飲む性質ではない。

身体を壊すことはないと思いたい。

 

さて しばらくして ようやく 料理が運ばれてきた。

 

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この店ご自慢の 北フランスの郷土料理。

 

「ファリューシュ」(La Faluche) と呼ばれる 北フランス独特の

丸い素朴なパンの上に

ベシャメルソースやエメンタルチーズをベースに

様々な具材(種類豊富・選べる)をのせてオーブンで焼いたもの。

 

ファリューシュは 北フランス独特のパン・・・と記載したけれど

私にとっては 既視感がある。

 

そう。

かつて 訪問した

チュニジアやモロッコで主食として出された

丸パン(ピタ パン?)に味も食感も類似しているように思う。

 

少なくとも 基本となる素材と

釜で焼く・・・・・という部分は共通しているのだろう。

 

(元々 ファリューシュは このエリアの民族衣装の丸帽子も指しているようなのだが

素朴なパンは パリでも売っているのなら

是非購入したいかな・・・・。)

 

そのマグレブ地方やトルコ近郊で食べられる「ピタ」は 

イタリーのピッツァの生地にも似ている・・・・・とは

かつて 遠い昔に目を通した 玉村豊男氏のパンについてのエッセイでも触れていたけれど

私も同様に感じている。

 

・・・ということで

ここの料理の ファリューシュも

考えようによっては 北フランス風ピッツァ?の様相。

若しくは ドイツ寄り アルザス地方で食される

タルトフランベ・・・・・にも 似ているかな・・・。

 

・・・の割に スーパー等で タルトフランベは頻繁に目にするものの

このファリューシュは 見たこと自体初めてだわ!

 

娘はベシャメルソースベースで鶏とキノコのものを。

夫は シンプルな エメンタルベースで 茹でたジャガイモとベーコンのものをオーダー。

 

ホントは私も!・・・としたかったのだが

先週中盤から体調に翳りが出始めた私。

 

ダルイわ 不整脈多発だわ・・・

・・・に加え 前日より どうにもこうにも腹の調子がよろしくない。

 

 

日本に居る時は 気づかなかったけれど

日本のチーズと 他国のチーズって

まるで別物。

 

日本のチーズで「そう」なることは 皆無だったのだけれど・・・・・

 

フランスのチーズやイタリーのチーズは

成分が濃すぎるのか!?

 

味は比べものにならないほど 旨いのだが

食べると 必ずといっていいほど 下痢に繋がる(涙)

 

自宅に居れば それでも 食べたいものを 食べたいだけ 食すのだけれど(笑)

 

何せこの段階では

短い旅のスタート地点。

 

ここで 腹を本格的に壊したら意味がない・・・・ということで

夫と娘のオーダーしたものを 1口ずつ味見で終わらせ(涙)

 

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消化によい シンプルな牛肉のステーキを。

 

しかしまぁ このステーキも めちゃくちゃ旨い!

バベット・・・という(日本でいうところのハラミ) 安い部位をつかった ランチメニューだったのだけれど

実際に提供されたのは ヒレだろ!?(最後の客に近かったので?)

めちゃくちゃ柔らかいから ナイフで スーッと切れるし

コショウのソースも美味。

 

まさに ワインも進む味だったのだけれど・・・・

体調不良故 それも自粛・・・

 

 

ファリューシュの方は

シンプルな 夫のエメンタール&じゃがいも・・・・は

飽きずに いくらでもイケちゃうおいしさ。

 

素朴ってステキ・・・・。

 

対する ベシャメルソースベースは

昼から食べるには ヘビーすぎる(笑)

 

そう。

おふらんすの クリーム料理って

すこぶるおいしいけれど・・・

日本人にはヘビーすぎるんだよね。

 

「まぢ おいしい! でも1キレで 満腹!」と 娘(笑)

 

結局

 

ベシャメルベースをおかずに エメンタルベースを主食・・・にして

夫と父子の連携プレーで どうにか 完食!?

 

完全に満腹な父子と 体調が今1つの隊長(私ね)

デザートは諦め

コーヒーで〆。

 

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これが フランスではめずらしいことに

ポットで提供!?

 

ホーローに入ったコーヒーを 自分で注ぐって1手間が

こういうとき なんだか嬉しいのは なんでだろね?

 

無論

「エスプレッソ」 というくくりでは

マシンで素直に淹れてくれたほうが よりおいしいんだけれど(笑)

 

大満足のランチを終え

整腸剤を腹に送り込み

私たちは初日の目的美術館1 へ 向かうのだった・・・・。