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家にいる時、私が家族に、

主治医が若いけれど、大丈夫かしら?

と言ったことがある。

年取ってるから、腕がいいってもんでも

ないでしょ、と言われ、

そりゃそうだ、若い人の方が

いい仕事をすることだってある。


この日の主治医は、ニコニコ王子にはにっこり

変わりなかったが、

なんだかいつもと違う雰囲気。

しっかりとチームの中の、

リーダーとなっていた。

「さあ!しっかり頑張って行くよ!」立ち上がる

誰に言うともなく、声がかけられた。

この声かけで、私もがんばろう、と、

気を引き締めた。


私は自分の身体が収まるかくらいの、

細い台の上に案内された。

グラグラする階段を登って、

横たわった。

丸い無影灯がいくつも天井から

ぶら下がっていて、眩しい。


麻酔科医が現れて、硬膜外麻酔を入れる

準備をしていた。

あれ?イケメン麻酔科医ではない、

女性だった。誰?挨拶もなかった。

そんな突然医師が変わることも

あるんだと、不安に思っていると、

ベテラン看護師に、

エビのように🦐背中を丸めてください

と言われ、狭い台の上で、

丸まった。


背中に針を刺され、

手足が痺れないか聞かれた。

大丈夫ですと答えると、

上向きに身体を戻された。


全身麻酔を入れていきますよ、

と言われ、すぐに意識を失った。


つづく