かむながら巡る/氏神と産土神 | そるてぃーあひるっ!(いととえん・むすび)

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神仏・精霊・森羅万象。多彩な色彩。多様な生命。円となって繋がり広がる縁。縁のもとに結ばれた糸(=意図)と会う。糸+会=絵。
あらゆる縁の意図(=糸)が絡み合って生じる、そんな絵を描いていきたい。

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◇かむながら巡る◇まとめ

 

 

【氏神と産土神について】

 

■氏神

⇒一族・氏族が信奉する神のこと。

たとえば祭祀を司っていた中臣氏の氏神は祝詞の神である「アメノコヤネ」。春日大社、春日神社などで祀られている。

物部氏であれば開拓の祖神「ニギハヤヒ」を氏神として祀る。物部神社などで祀られている。

本来は「氏族」のための祖霊神・守り神であった氏神がいつしか「その土地の氏神さん」みたいに言われるようになっているのは「特定の土地に定住した一族(=氏子)がいる」ことで、結果的にその土地に住んでいる者のための神になった。

 

■産土神

⇒その土地の守り神のこと。

土地の豊饒を司り、土地でとれた恵みが人間の生活を支えているので、結果的には「その土地に住む人間を守る神」ということになり、いつしか「その土地で生まれた人間を守る神」になった。

 

■氏神と産土神は本来は違うもの

⇒その土地に一族ぐるみで住み着いた氏族がいた結果、氏神と産土神が混同されるようになった。

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【産土神について】

産土神の調べ方についての問い合わせがとても多い。

結論を言うと、産土神とは本来上記のとおりのもので、「生まれてから死ぬまで一生を守護してくれる神」ではないです。

どちらかといえば「その土地で生まれた子の成長を見守ってくださるようにお願いする」「その土地に住んでいるので守ってくださるようお願いする」のが本来の在り方かな。

そういう意味では、「今住んでいる土地の氏神」のほうが限りなく近い意味を持ちます。

あなたを死ぬまで(無条件で)守護してくれる神、というわけではないのです。

産土神を知ることで、自分がどうしたいのか?

産土神(土地を守る神)とのご縁を持ってどうしたいのか?

まずはそこを考えてみてほしいと思います。

そのうえで産土神の調べ方をどうぞ。

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【産土神の調べ方】

一番早い方法は「神社庁に問い合わせる」です。

産土神の調べ方は実は近年になって決まったものなんだよね

「神社本庁」というものが昭和の初めごろにだいたい決まって、都道府県の各地に「神社庁」が置かれた。(※会社で言えば本社と支社のようなイメージ)

学校でいう「校区」のように、ここからここまでが◎◎神社の管轄、みたいな区分けがある。その区分けに従って、○○(細かい地域名)にあるから◎◎神社が氏神あるいは産土神です、という風に決まる。神社庁がその区分けを決めている。

さて、何が○○(細かい地域名)にあるかというと、大まかに主軸となっている2つの決め方がある。

■母親が妊娠中に住んでいた家

⇒育つことをその土地の神から許されたという考え

■出産した場所(病院や家など)

⇒生まれることをその土地の神から許されたという考え

これはもう、考え方の違いによるもの。

わたしはどちらでもいいと思っています。自分が納得できるかどうかじゃないかな。

どちらも分からないひとが「幼少を過ごした土地」で決めているケースもある。

【神社庁に問い合わせた結果と、産土神鑑定で調べてもらった結果が違う】という問い合わせについて

今みんなが住所として使っている都道府県市区町村というのは、近年になって決まったもので、今でも合併により地名や区域がどんどん変わっている。なので神社庁に記録されている区域が今と昔で違ったりします。過疎化やダム化で土地自体がもう無いなんてケースもありますね。

もう一つ考えないといけないのは「神社庁が回答するのはあくまでも神社庁に登録している神社のみ」ということ。

神社庁に登録のない神社、神社庁から抜けた神社、すでに廃社となった神社もたくさんあります。会社で考えれば分かりやすいかな。登録のないよその会社のことなんて答えられないからね~。

民間や団体、占い師が独自に産土神を鑑定するものもあり、それらが神社庁の結果と食い違うのは、鑑定方法の違いのほかに上記の神社庁における登録上の理由も大きく関係します。

民間の結果を信用できるかどうかというと、あなたがその結果を信用したいかどうか、だと思います。

上記で述べたとおり、産土神は本来の定義から外れて全く別の「産土神信仰」として定着したので、産土神鑑定というのは結局は人間が作って決めたものなんだよね。

「生まれてから死ぬまでの一生を(無条件で)守ってくれる産土神」の思想はわたしは否定しないし、知ることができれば参拝することもできるので良いと思うのだけど、より身近に、日頃に、いつも守ってくれている神さまがほかにいるかもしれない。そこにも気付くことができればいいのではないかなと思う。 

 

 

 

 

 

 

(文/ソルト)