楽
「豊」は古語で満ち足りている状態を示す言葉です。
□の「豊」と、○の「楽」が寄り添うように並んでいます。
それに落款の「比庵九十二」を添えて見事な空間を紙面に展開しています。
これは書であると同時に、一つの絵画です。
ピカソ、パールクレー、ジョアン・ミロの近代絵画に見られるのと同様な世界です。
Feel, don't think(ブルース・リー映画「燃えよドラゴン」)の台詞です。
理解しようと努めるよりも、全身で感じましょう。
作品と観る者の間に心地よい空間が生じます。
Well-beingです。
「楽」について、
比庵先生は著作「水清き」の中で、「人生の体験を積んで嘆きも楽しみも体験し、嘆きは多く楽しみは少なく混在していることを知り、その嘆きの中からしぼり取った楽しみでなくてはならない。」と壮絶と想える「楽」論を述べています。
「しぼり取った楽しみ」う~む 唸る言葉です。
それを承知の上で、
Let's live with fun!
「比庵、楽し」2023 10月6日~2024年1月16日
於:きび美ミュージアム(倉敷市美観地区)