顔
「憂うるがごとく 微笑むがごとく わが人生を 刻む顔なり 比庵」
比庵先生の娘・明子(はるこ)さん著作「比庵あけくれ」に集録されている歌と尊影。
髪を分け、髭をたくわえています。
9年に及ぶ日光町町長を辞した頃の写真でしょう。
職員の不正の責任を負い、自ら町長の職を降り、退職金は全て日光町に返納しました。
「他に選ぶ道は無かったのだろうか‥‥私にはこうするしか他に無かった。」
と自身に語り掛けているような写真です。
これより後、本格的に歌・書・画を発表する生活が始まります。
比庵芸術、60歳からのスタートです。
「私は晩年になって六十から始めたのだから、長生きで勝負しますよ。唯生きるのではない。それだけよいものを仕上げて作品で勝負するんですよ」と語っています。
日光町は現在の日光市へと発展し、名誉市民第一号に清水比庵を指定しました。
世界遺産都市・日光の観光開発の礎は清水町長時代から始まりました。
世界中から人が訪れています。