被爆者手帳
8月6日 この日には亡くなった母は「ピカの日は暑かったんよ。」と毎年言っていました。
(今はこの言葉を使う人はなくなりましたが、広島の人は原子爆弾をピカと呼びます。)
傍に家族が居ても、それはうわ言のように毎年言っていました。
広島県出身でありますが母は被爆していません。
親戚の者の中には被爆した者がいます。
被爆した人は「被爆者手帳」を国から給与されています。
それは投下中心地から、一級二級と等級が設けられています。
見せてもらった親戚の者の原爆手帳は一級です。投下地点に最も近い地域で被災しています。
「わしは放射能を限界まで身体に持っているので、生涯レントゲンは受けたことがない。」と語ります。自分は病気になれないと覚悟して日々養生生活を送っています。
今も98歳で元気に活動しています。
民芸が好きで長らく広島民芸協会の会長を務めて、柳宗悦・河井寛次郎・棟方志功・芹沢銈介などコレクションしています。現在は会長を後継者に譲り日本民藝協会特別顧問(全国に3人)として民芸に携わっています。
近々、白寿(99歳)を迎えます。
彼からは一度も米国にも原爆にも恨み言を聞いた経験がありません。
いつも、芸術の話や未来の話に花が咲きます。