私は小学校2年生のときに、溺れかけたことがあります。
当時は静岡県に住んでおり、家の裏の方に大きな川がありました。
その川は堀のようになっていて、柵がなく、
しかも川に向かって道路が傾斜になっているため、
ボール遊びをすると川にボールが落ちてしまうのです。
友達とその川でボール遊びをしていたところ、
ボールが川に落ちてしまいました。
当時はボールは小学生にとっては高級品で、
私の家も裕福ではなかったことから、
3m程ある高さの急勾配の堀を降りて拾いにいくことにしました。
川は穏やかな流れなので、多分もし落ちても大丈夫だろうと思いました。
ゆっくりと下っていくと、案外ちゃんと降りられるもので、
水面まで足が届くところまで来たとき、
ボールに触れた瞬間、川に落ちました![]()
落ちたとき、びっくりしたのは、
足を何かに掴まれるような感覚がありました。
川に引き込まれる感覚があって、体が一気に重くなりました。
水面から全く出られず、足を水面から出すこともできません。
助かる見込みが全くなくなってしまった私は、パニックになってしまいました。
その時友達が、とっさの判断で、
川の横にあった長い流木を、私の方に向けてくれました。
その流木は堀の高さ以上あり、川に刺さるように私達が遊んでいた場所の近くにあったのです。
「つかまって!」
と私の方に流木を持ってきてくれた友達だったのですが、
流木につかまって水面から出ようとするも、ものすごい力で私の足や体に何かつかまってきて、全然出られません。
それでも、渾身のちからで這い上がると、水面から体が出た瞬間、
全く重さを感じなくなりました。
不思議に感じたのですが、もう体に余っている力がなく、
そのまま流木を3mほど上って戻りました。
あれは一体なんだったのだろう?と思いながら、
友達にすごく感謝して、お礼を言い、後日おやつを持っていこうと思いながら
家に帰りました。
ずぶ濡れの私を見て母はすごくびっくりしていたのですが、
事の顛末を話すと、
「あなた、今日って何の日か知っているの?」
と言われ、小学生の私はキョトンとしていました。
そして、その時初めて、お盆の時期は、
水辺に近づかないように言われていることを知ったのでした。
