
こんぽた。世津路章さま発行
「300字あれば、どこでも行ける」
《旅》にまつわる300字小説アンソロジー
『ANYWHERE!』
B6 156P 1200円
電撃文庫や創作文芸で作家として精力的に執筆されながら、「グルメ300字小説アンソロジー」「《おねショタ》アンソロジー」などで企画力をいかんなく発揮されている「こんぽた。」世津路章さまの、「旅」にまつわるアンソロジーに、参加させていただきました。
「コロナのせいでむしゃくしゃした勢いでぶち上げた」とご本人さまも語っていらっしゃる通り…、
あらゆるイベントが相次いでバタバタと中止となった今年の春、私も、疫病に対する恐怖、色々な予定がつぶれて悔しい気持ち、どこにも行けなくて鬱屈した思い、閉塞感、だけど闘病されている方や医療従事者をはじめとする最前線で戦っていらっしゃるエッセンシャルワーカーの方々を絶対に邪魔してはならない(いざという時はたすけてください…)と思う気持ちと、停滞する経済の中で悲鳴をあげる方々が助かって欲しい気持ちと、言うてエッセンシャルではなくとも電車に乗って出勤せねばならない自身の健康だって、騒ぐまでには至らないけれどもわりと脆弱な経済面だって、心配この上ない微妙な立ち位置…。
毎日、
「どこかに行きたい…」
「波の穏やかな、青い海が見たい…」
と思っていました。
なので、「旅」というテーマにはとりわけ心惹かれるものを感じたし、アンソロジーということで、「みんなで楽しく、どうですか? スペシャルツアー、組みまっせ!」って誘ってもらったような気にも、なったのでした。
ただ、時の空気みたいなものに日々接触していて、私個人としては、想像力の翼がしおしおで…
普段はニュースを見るタイミングを調整したり、媒体を限ったりして調整するところなんですけど、家族の命もあるのでそうもできない…。
お金がなくても、時間がなくても、少しの情報をもとに、空想の旅行をいつでも楽しめていたはずの自分なのに、テーマに反するような
「…どこにも行けない…」
「…行けないなりに生きる…」
「…行動を共にできないけど、それでも…」
みたいな、しけったボツ作を量産してしまいました。
…元々作風が暗くて、湿気と毒で栽培したきのこみたいな…作が多いのは認める…。
なので、感性のところで書くものはあまり使えず、これまでに行った「旅」の写真とか、手記とかを見直して、あああ、若かりし頃の自分ったら、作文はそれなりに成績良かった記憶があるけれど、文のつながりが悪いとか、結論まで一足飛びだとか、単純に青くて腹が立つとか、で、頭を抱えながら、当時感じた空気だったり、鳥肌が立った風景だったりを、300字にしてみました。
『家(ルマ)の記憶』
モチーフにしたのは、高校の時のマレーシアへの修学旅行なのですけれど、当時から今まで、この旅のすべてを言語化することは、できていなくて。
自然との共生だったり、工業化の功罪だったり、戦争の爪痕だったり、教育の方向性だったり…
まあ、生半可な気持ちではできないな! というか一生できないだろうな! と思いながらも、なんらか形にしたい気持ちはずっとありました。
今回、少しだけでも書けて、たくさんの方がご覧になる場所に、置くことができて、少しだけ宿題に手を付けられた心地です。
モチーフにしたところは、ちょっと「ゾッ」とするようなところでもあって、もろ手を挙げて「たのし~!」って感じの作品にはならなかったのですが、そういうところも含めて、一度きり、触れ合ったかれらのことを、好きだと思います。
ネットで検索したところ、ルマのみんなのところにも、新型コロナウィルスは襲い掛かっているようです。
医療は、重症化しない限り、村の呪術師頼みのようなところです…。
無事で、いて欲しい。
…告知がとても遅くなったので、すでに献本も頂いてしまったのですが、青を基調としたカラフルな色彩に、岡亭みゆさんの表紙のこどもたちの笑顔、プライスレス… 栄養剤のように、沁みる〈顔〉の表紙です!
そして、わくわくをこの上なく高めてくれるチケット! 旅と言えばの!! うれしい!!!
チケットにちりばめられた〈ことば〉に涙。
そして、表紙をめくったページのメッセージに、また涙…。
沁み入るような励ましのお見送りを受けて、旅に出発してしまえば、あとは、目の前に広がる風景や人間模様――つまりは人生、を感じながら、一ページ一ページを、楽しむだけ!
68の景色と心象風景、文章からにおい立つもの。それに、背景のフレーバーフォトが、実感を添えてくれます。
こういったご時世下なので、通常通りイベントが再開されるまでは、今は、お取り寄せがメインの頒布経路になるようです。
こんぽた。BOOTH出張所
https://conpota-nomoo.booth.pm/
(あんしんBOOTHパックで、あなたの個人情報は明かさないまま、通販可能です。)
(そして、売上の一部は日本赤十字社へ寄付されます。)(というか先倒しで寄付済みなので…いっぱい売れて…!)
また、主催・世津路さんのnoteからは、同人文化を愛する熱い気持ちやこの本に対する情熱を、たっぷり感じ取ることができます。
【300字SSアンソロ】アンソロジー発行と企画終了のご報告
https://note.com/compotime/n/n7e0e0faeba42?magazine_key=mae78c68aa682
こんな時、だからこそ。
なにかから解放される、好きだったなにかに再会できる。そんな300字の旅に、出かけてみてください。
(一読者として、とても面白かったです…!)