<原点(Kút・ハンガリ・2016)> ★★★

 

 

 

意味不明の邦題ですが、英題は原語直訳の“井戸”となっています。珍しいハンガリー映画という事で見ましたが、冒頭にに「人生は井戸だ。意味不明のジョーク」と字幕が出ますが、映画の中には井戸は一度だけチラッと映りますが本題に全く関係ありません。ジャンルとしては、サスペンスかアクションになるのでしょうが、とにかく、タイトルと言い、結末と言い、訳の判らない作品でした。中央ヨーロッパのハンガリーにもこんな場所があるのかと思う見渡す限りの荒野の中にポツンとあるガソリン・スタンドだけが舞台となっています。邦題,原題もさることながら、ストーリーも良く呑み込めない(難解と言う意味ではなく)靴の上から足の裏を掻くような作品でした。

 

遠隔地のガソリン・スタンドで30日間にわたって行われ、1年ぶりに父親に会った男性と、スイスに向かう途中でバンが故障した売春婦のグループを中心に展開します。

 

>人家も見えない荒野を走る道路脇に、大酒飲みのイシュトヴァンと身体に障害があり歩行も困難なゾリと言う2人の老人が営むガソリン・スタンドがあります。そこへ、イシュトヴァンの息子で刑務所を出たてのラシがひょっこりヒッチハイクで戻って来て店を手伝うと言い出します。そこへ4人の女を載せたバン型車が給油と食事に立ち寄ります。ボスのジョニーは粗暴で横柄な男で子分のミハリをこき使っていますが、女たちは売春婦で、2人は彼女たちをスイスの業者に売り飛ばす道中でした。ところが、出発しようとすると車のエンジンがかかりません。ラシが修理を命じられて調べると、電気配線が一か所千切られていて、テープで応急修理をしても回復せず、交換部品を取り寄せなくてはならないと言い、一行はやむを得ず一泊することになります。その夜、キャンプ・ファイアで楽しみますが、ラシは女の中の一人マルクシと親密になり、2人で駆け落ちしようと持ち掛けますが彼女は受け流します。翌日、

で、ジョニーとイシュトヴァンが口論となり、激昂したジョニーはイシュトヴァンを惨殺してしまいます。激怒したラシはイシュトヴァンの古い車でジョニーを轢き殺し、ゾーリに重傷を負わせます。女達からの通報で、ジョニーの属する組織の幹部が駆け付け、2人の死体を片付け、女達を連れ去ります。数年後、スタンドに4人の女を載せたバン型車が給油に立ち寄ります。客の相手をしているのは、ゾーリと車椅子に乗ったミハリでした。

 

ジョニーとイシュトヴァンの口論の原因が、イシュトヴァンが大量の小鳥の死骸を倉庫に隠していたこととなっていますが、何故、それをジョニーがったのか、一行の車の故障の原因が電線を鼠か誰かが食い千切ったせいだとラシが説明しますが、その真犯人は不明のままです。イシュトヴァンの乗用車は10年も乗っておらず動かないと言っていたので、ラシが発作的にそれに乗ってジョニーを轢き殺すしてしまうのも不思議でした。また、最初と最後に自転車に乗った老婆が道路沿いにある十字架の墓を拝むシーンがありますが、その意図も判りませんでした。

 

私の朦朧とした頭脳が理解を拒んだのかも知れないので、AmazonPrimeなのでもう一度見ることは出来るのですが、そうする気力も失せて疑問の山積みのままの鑑賞でした。