私は生来、思い付いたらすぐに行動する性格です。
あまり深く考えずに行動して失敗した事もしばしばあります。
と言うか、結構あります。
つい先日も、妻と二人で近所のユニクロさんへ行って来たのですが、妻はPコートが気に入ったらしく、試着していたので「それ、買っちゃいなよ」と購入。
ところが3日後のチラシにはその商品が2千円引きの値段になっていました。
妻がこう言いました。
「やっぱあんたってタイミング悪いよねえ。私、後から安くなってからでいいじゃんて言ったよね!」と。
私はそれを聞いてこう切り返しました。
「いやいや。その2千円が一生懸命働いているユニクロさんの従業員の給与になってんだから良いじゃないか。俺は世の中にお金を回して貢献してるんだよ」と。
妻が言いました。
「それはあんたみたいな人が言うセリフじゃない。お金持ちの人が言うセリフよ!」と。
私は妻の言葉を噛みしめながら、NARUTOの単行本を片手に黙ってトイレへ行きました。
さてさて、本題に戻ります。
ひょんなことから入院中に思い付いたアイディア。
『こうすれば、あなたもなれる糖尿病セミナー』作成プロジェクトに取り掛かりました。
病院の図書館から糖尿病に関連する医学書を山ほど借りてきました。
妻に頼んで自宅からノートパソコンを持ってきてもらい、パワーポイントを駆使して作り始めました。
生来の勉強嫌いの私が、まさか医学書を手に資料を作っているなんて、中学生の頃の私には想像もつかない現象だと思います。
嘘じゃないですが、高校受験1カ月前の模試は、数学と英語が0点。
勉強しなかったワケは、計算機が有るから数学はナンセンス。
日本人だから英語は喋らないという理由で。
国語と社会と理科は、○×問題があれば全部「○」。
「ア・イ・ウ・エ・オ」から選択する問題は全て「ア」と記入し得点を稼いでいました。
担任の教師からは「お前、本当に高校行けないぞ」とリアルに言われていました。
そんな私が医学書です。
インド人もびっくりです。
さてさて。
お見舞いに来てくれた知人や友人、会社の上司や同僚にも作りかけの資料を見せては糖尿病の怖さを啓蒙して、出来具合を評価してもらいました。
評判は上々で、糖尿病の怖さと私のような生活をしていると糖尿病になってしまうというコミカルなタッチで作った内容は大変ウケたようで、聞いてくれた人の殆どが理解してくれる内容に仕上がりつつありました。
糖尿病の症状はと言うと、入院20日目位になると、すい臓からインスリンが出始め、先生も大変驚いた様子で「いやあ~、今まで何千人と糖尿病患者を診て来たけど、こんな短期で回復する患者さんは見たことが無いよ!インスリン注射は止めにして投薬に切り替えましょう!」と話してくれました。
結果的に一ヶ月の入院期間でインスリン注射を打つまでも無く、投薬に変わり、嘘じゃないですがその投薬も数日で飲まなくてもいい位の数値に回復してしまったのです。
まさに「不可能を可能にする男」の異名も伊達じゃないって感じでした。
体重も入院前の106㎏から比べると82㎏までダウン。
1,600キロカロリーの食事と運動療法が効果テキメンだったみたいです。
さて、いよいよ退院する日が目前に迫ってきました。
資料作りも山場を迎え、担当の糖尿病専門医に時間を作って頂き、1時間ほど作った資料をプレゼンさせて頂きました。
先生は「面白い!普通は糖尿病にならない様に説明するけど、『こうすればあなたもなれる』と言う逆説のタッチはウケるね!医学的にも間違いのない中身だから、医者や看護師では無い素人のセミナーとしては十分使える中身だよ」とお墨付きを頂きました。
お陰様で無事退院を果たし、仕事に復帰。
新生「こうすれば、あなたもなれる糖尿病セミナー」を引っ提げての退院でした。
退院後すぐに各ユーザーに講演をさせて頂き、反応も上々。
お客様からも色々とアドバイスを頂き、更に洗練された中身へと進化していきました。
(エンディングロール・バックミュージックは葉加瀬太郎さんのエトピリカを想像して読んで下さい)
私は単純に面白いセミナーをやりたいと思って作ったのではありません。
命の使い方や時間の大切さ、『普通』に生活できる事の素晴らしさや、書ききれませんでしたが、家族の絆や人との繋がりのありがたさ。
人は弱く、弱いからこそ色々な人たちに支えられ、また支えつつ生かされていると言う事を伝えたかったのです。
私は今回の入院(失敗)で得た学びは人生観すらも換えてしまうものでした。
人の命は簡単に消えてしまう。
産まれ付き重い病で苦しむ人も大勢いる。
宣告された余命を必死で生きる人もいる。
世界のどこかで、死にたくも無いのに強引に奪われてしまう命もある。
どうって事の無い失敗で、自らの命に終止符を打つ人もいる。
命の使い方は、その人の使いようで大きく変わる。
当たり前に仕事が出来る事の素晴らしさ。
当たり前に食事が出来る有り難さ。
先人の築いた豊かな日本、そして戦争の無い今の時代。
暖かい服が有り、屋根の付いた家が有り、蛇口をひねれば飲める水が出る。
一昔前では考えられない便利な家電製品が有り、交通手段も豊かで、一家に一台自動車も有る。
進歩した医学。
安価で受けられる充実した医療保障制度。
平等に受けられる基礎教育。
そして、この命を育んでくれた両親。
支えてくれた家族。
私と言う一個人の命が輝けるのは、こうした社会に生きる様々な人たちによって生かされていう事。
だからこそ私も、その多くの人たちの命を輝かせる為に生きていこうと決めたのです。
どう生きていくか・・・全ては自分次第です。
~完~