8時17分配信 モーニングスター
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薄商いの中で日経平均株価が乱高下した今週(13-16日)は、米中ともに株価の下値不安が強まった。米政府による中国製品への制裁関税第4弾については一部品目への適用が先送りされたものの、依然として両国の摩擦は懸念材料だ。市場参加者が戻り始めることが予想される来週(19-23日)は、出来高の増加を伴う底固めに期待したい。22-24日のジャクソンホール討議も注目される。
米中摩擦による実態経済への影響を背景に、東証1部上場企業(金融除く)の20年3月期第1四半期(4-6月)の連結営業利益は前年同期比で約11%減少。早くも通期計画を下方修正するケースが多くみられるなど、各社は苦戦を強いられている。中国では、直近発表された7月の工業生産の伸びが10年半ぶりの低水準にとどまった。中国と関係が深い欧州でも足元の経済指標の落ち込みが目立つ。
景気後退の足音に反応するように、米国や英国で「逆イールド」と呼ばれる、長短金利が逆転する現象が起きた。リセッションのシグナルとされ、世界の投資家が今後の経済の低迷期に身構えた。米中摩擦に端を発する悲観は、最高潮に達しつつあるようだ。
ただ、日経平均2万円が近づくにつれて、下値買いの意欲が強まる構造はなおも崩れていない。今週はNYダウが800ドル安となった翌日の15日も、日経平均は2万184円を底に下げ渋った。大台割れを目前に粘り腰を見せている。
目先は引き続きこの心理的フシに加え、日経平均のPBR(株価純資産倍率)1倍(2万203円)近辺が下値支持線として意識される。一方、これらをあっさりと下抜けてしまう場合には、一気に売り方のターゲットは次のフシの1万9000円どころまで引き下げられる。
頼みの綱は金融緩和だ。前々回の当欄でも指摘したように、米政府の不満の矛先は中国と同時にFRB(米連邦準備制度理事会)にも向けられている。7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では継続利下げに消極的な姿勢を示したパウエル議長に対し、トランプ米大統領は逆イールドに絡めて「問題は中国ではなくFRBだ」とツイート。足元の株価下落は、9月のFOMCでの0.5%の大幅利下げを意識した催促相場の様相も呈している。
こうした中、来週は米ワイオミング州ジャクソンホールで、主要国の中央銀行幹部らが集まる経済シンポジウムが開催される。このシンポジウムで23日に講演するパウエル議長の発言内容にはおのずと関心が高まる。仮に再びハト派的なスタンスを打ち出せば、市場心理は好転する可能性がある。
また、21日には日中韓の外相会談が北京で予定され、日韓の個別会談も行われるもよう。関係改善はそう簡単には望めないものの、何らかのとっかかりができれば半導体材料のステラ ケミファ <4109> 、東京応化工業 <4186> などや、韓国に展開する消費関連株のデサント <8114> 、エービーシー・マート(ABCマート) <2670> などの反発は必至だ。
国内では19日に7月の貿易統計、21日に7月訪日外客数、22日に7月工作機械受注の確報値が出る。海外では米国で21日に7月中古住宅販売件数、22日に7月CB景気先行総合指数、23日に7月新築住宅販売件数の発表が控えている。
日経平均の想定レンジは1万9700-2万800円とする。(市場動向取材班)
米中摩擦による実態経済への影響を背景に、東証1部上場企業(金融除く)の20年3月期第1四半期(4-6月)の連結営業利益は前年同期比で約11%減少。早くも通期計画を下方修正するケースが多くみられるなど、各社は苦戦を強いられている。中国では、直近発表された7月の工業生産の伸びが10年半ぶりの低水準にとどまった。中国と関係が深い欧州でも足元の経済指標の落ち込みが目立つ。
景気後退の足音に反応するように、米国や英国で「逆イールド」と呼ばれる、長短金利が逆転する現象が起きた。リセッションのシグナルとされ、世界の投資家が今後の経済の低迷期に身構えた。米中摩擦に端を発する悲観は、最高潮に達しつつあるようだ。
ただ、日経平均2万円が近づくにつれて、下値買いの意欲が強まる構造はなおも崩れていない。今週はNYダウが800ドル安となった翌日の15日も、日経平均は2万184円を底に下げ渋った。大台割れを目前に粘り腰を見せている。
目先は引き続きこの心理的フシに加え、日経平均のPBR(株価純資産倍率)1倍(2万203円)近辺が下値支持線として意識される。一方、これらをあっさりと下抜けてしまう場合には、一気に売り方のターゲットは次のフシの1万9000円どころまで引き下げられる。
頼みの綱は金融緩和だ。前々回の当欄でも指摘したように、米政府の不満の矛先は中国と同時にFRB(米連邦準備制度理事会)にも向けられている。7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では継続利下げに消極的な姿勢を示したパウエル議長に対し、トランプ米大統領は逆イールドに絡めて「問題は中国ではなくFRBだ」とツイート。足元の株価下落は、9月のFOMCでの0.5%の大幅利下げを意識した催促相場の様相も呈している。
こうした中、来週は米ワイオミング州ジャクソンホールで、主要国の中央銀行幹部らが集まる経済シンポジウムが開催される。このシンポジウムで23日に講演するパウエル議長の発言内容にはおのずと関心が高まる。仮に再びハト派的なスタンスを打ち出せば、市場心理は好転する可能性がある。
また、21日には日中韓の外相会談が北京で予定され、日韓の個別会談も行われるもよう。関係改善はそう簡単には望めないものの、何らかのとっかかりができれば半導体材料のステラ ケミファ <4109> 、東京応化工業 <4186> などや、韓国に展開する消費関連株のデサント <8114> 、エービーシー・マート(ABCマート) <2670> などの反発は必至だ。
国内では19日に7月の貿易統計、21日に7月訪日外客数、22日に7月工作機械受注の確報値が出る。海外では米国で21日に7月中古住宅販売件数、22日に7月CB景気先行総合指数、23日に7月新築住宅販売件数の発表が控えている。
日経平均の想定レンジは1万9700-2万800円とする。(市場動向取材班)
