ドナルド・トランプ次期米大統領の就任式が1月20日に首都ワシントンで行われ、同氏は正式に第45代大統領となる。予備選挙中から奔放な言動で物議をかもしたが、政策に対する期待感は高くこれがそのままリスクオンにつながっている。
同氏は選挙中、経済政策として(1)法人税や所得税の最高税率引き下げを軸とした10兆ドル規模の大型減税(2)減税による米企業の海外利益の余剰金を米国内還流(3)雇用創出に向けた1兆ドル規模の大型インフラ投資――などを主張した。市場はこの3つをトランプ政権の政策の目玉と捉えており、関連株はこれらに絡んだものが中心になると考えて良い。
<消費拡大なら自動車株などに恩恵>
(1)の減税に関し法人税引き下げは生産拠点の米国回帰、設備投資の増加、個人税引き下げは個人消費の拡大が期待できる。米国への工場回帰が発生すれば産業用ロボット大手の安川電機<6506.T>、工作機械装置のファナック<6954.T>にはプラス。また、個人消費拡大は日産自<7201.T>、トヨタ<7203.T>、三菱自<7211.T>、マツダ<7261.T>、ホンダ<7267.T>、富士重<7270.T>の自動車会社には恩恵が大きそうで、ソニー<6758.T>の「プレイステーション4(PS4)」や任天堂<7974.T>の「ニンテンドースイッチ」普及にも効果を発揮しそうだ。
インフラに関しては政権移行チームのウェブサイトでは道路、高速道路、橋りょう、トンネル、空港、鉄道など交通システムに投資するとしていたが、もともと米国のインフラは老朽化が進んでおり修繕・再建が必要との見方は多かった。1兆ドルという数値はそれほど多すぎるというわけではない。大和総研も昨年12月のリポートで米国土木学会の推計を前提とすれば、トランプ次期大統領が掲げている1兆ドルという金額は過大ではないと指摘。むしろ現在のインフラを維持するために必要な金額であると考えられるとしており、こうしたインフラ投資は長期的な需要が見込める。
関連銘柄としては建機のコマツ<6301.T>、日立建機<6305.T>、建設用クレーンのタダノ<6395.T>、ミニショベルの竹内製作<6432.T>を中心に信越化<4063.T>(塩ビ)、大和工<5444.T>(米国でH形鋼の合弁事業)が関心を集めそう。11日の記者会見でメキシコ国境の壁建設を改めて言及しており、メキシコに費用を支払わせるとの主張はともかく、実現すれば太平洋セメ<5233.T>(セメント)、住友大阪<5232.T>(セメント)も出番がありと見ておきたい。
その他、各種の規制緩和に積極的なのも特徴だろう。特に金融に関してはオバマ政権による金融規制改革法(ドッド・フランク法)の緩和・廃止を訴えた。ドッド・フランク法で消費者金融保護局(CFPB)が創設され、現状ではデリバティブ(金融派生商品)を始めとした高リスク取引などが制限されている。撤廃されれば大和証G<8601.T>、野村<8604.T>には追い風だろう。
<最大の米国株も選別対象>
また、トランプ氏は米企業優遇を優遇すると考えられるため、インフラ投資にしろ消費にしろ外国企業より米企業に有利に働く可能性が高い。最近は米国株購入のハードルは低くなっている。トランプ政権の施策で業績的な恩恵を受けそうな米個別株の検討も行うべきだろう。その場合はインフラ投資でキャタピラー<CAT>、USスチール<X>、金融規制緩和のゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、環境規制緩和エクソンモービル<XOM>、個人消費ならウォルマート<WMT>、アマゾン<AMZN>などは盛り上がりを見せそう。逆に薬価低下懸念からファイザー<PFE>など製薬株は逆風となっている。
ただ、トランプ氏は11日に大統領選後初となる記者会見を実施したが期待された政策の詳細は示さなかった。選挙中に掲げた経済政策がどの程度実施できるかが関連株を動きを大きく左右しそうで、政策の行方と実行の可否については慎重な見極めが必要となる。
同氏は選挙中、経済政策として(1)法人税や所得税の最高税率引き下げを軸とした10兆ドル規模の大型減税(2)減税による米企業の海外利益の余剰金を米国内還流(3)雇用創出に向けた1兆ドル規模の大型インフラ投資――などを主張した。市場はこの3つをトランプ政権の政策の目玉と捉えており、関連株はこれらに絡んだものが中心になると考えて良い。
<消費拡大なら自動車株などに恩恵>
(1)の減税に関し法人税引き下げは生産拠点の米国回帰、設備投資の増加、個人税引き下げは個人消費の拡大が期待できる。米国への工場回帰が発生すれば産業用ロボット大手の安川電機<6506.T>、工作機械装置のファナック<6954.T>にはプラス。また、個人消費拡大は日産自<7201.T>、トヨタ<7203.T>、三菱自<7211.T>、マツダ<7261.T>、ホンダ<7267.T>、富士重<7270.T>の自動車会社には恩恵が大きそうで、ソニー<6758.T>の「プレイステーション4(PS4)」や任天堂<7974.T>の「ニンテンドースイッチ」普及にも効果を発揮しそうだ。
インフラに関しては政権移行チームのウェブサイトでは道路、高速道路、橋りょう、トンネル、空港、鉄道など交通システムに投資するとしていたが、もともと米国のインフラは老朽化が進んでおり修繕・再建が必要との見方は多かった。1兆ドルという数値はそれほど多すぎるというわけではない。大和総研も昨年12月のリポートで米国土木学会の推計を前提とすれば、トランプ次期大統領が掲げている1兆ドルという金額は過大ではないと指摘。むしろ現在のインフラを維持するために必要な金額であると考えられるとしており、こうしたインフラ投資は長期的な需要が見込める。
関連銘柄としては建機のコマツ<6301.T>、日立建機<6305.T>、建設用クレーンのタダノ<6395.T>、ミニショベルの竹内製作<6432.T>を中心に信越化<4063.T>(塩ビ)、大和工<5444.T>(米国でH形鋼の合弁事業)が関心を集めそう。11日の記者会見でメキシコ国境の壁建設を改めて言及しており、メキシコに費用を支払わせるとの主張はともかく、実現すれば太平洋セメ<5233.T>(セメント)、住友大阪<5232.T>(セメント)も出番がありと見ておきたい。
その他、各種の規制緩和に積極的なのも特徴だろう。特に金融に関してはオバマ政権による金融規制改革法(ドッド・フランク法)の緩和・廃止を訴えた。ドッド・フランク法で消費者金融保護局(CFPB)が創設され、現状ではデリバティブ(金融派生商品)を始めとした高リスク取引などが制限されている。撤廃されれば大和証G<8601.T>、野村<8604.T>には追い風だろう。
<最大の米国株も選別対象>
また、トランプ氏は米企業優遇を優遇すると考えられるため、インフラ投資にしろ消費にしろ外国企業より米企業に有利に働く可能性が高い。最近は米国株購入のハードルは低くなっている。トランプ政権の施策で業績的な恩恵を受けそうな米個別株の検討も行うべきだろう。その場合はインフラ投資でキャタピラー<CAT>、USスチール<X>、金融規制緩和のゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、環境規制緩和エクソンモービル<XOM>、個人消費ならウォルマート<WMT>、アマゾン<AMZN>などは盛り上がりを見せそう。逆に薬価低下懸念からファイザー<PFE>など製薬株は逆風となっている。
ただ、トランプ氏は11日に大統領選後初となる記者会見を実施したが期待された政策の詳細は示さなかった。選挙中に掲げた経済政策がどの程度実施できるかが関連株を動きを大きく左右しそうで、政策の行方と実行の可否については慎重な見極めが必要となる。
