夢の中のその場所は、明るい春のような気候で、私の前には広い道があって、その道は土で出来ていた。舗装されているところはなく、その土の地面の表面に、ぼこぼこと丸くなった石がある。道の向こう側には、大正時代(下町)のような商店街があり、二・三階建てのビルと、のれんのひらめく平屋の食堂などが、ずらりと並んでいた。不動産屋もあったような気がする。しかし、ひしめいている感じはしなかった。今日は、休日みなのか、町は静かで、広々としていた。人影は少なかったが、いつもは沢山いるらしい。そんなイメージが伝わってくる。

 私は、この街の様子が、当り前だと思っていて、どこか懐かしい感じがしている。さらに、私は神様の隣にいて、町の説明をテレパシーのような感じで感得していた。あたりには、慈しみとサトワ(調和)的雰囲気が流れている。また、私は、神様が私のことを全て分かっておられると感じていて、私はその神様を、なぜか恵比寿神天尊様だと分かっていた。

 恵比寿神天尊様は、翁の姿をしていて、私は、お遍路をしていると思っている。私が思う疑問は、すぐに恵比寿神天尊様に伝わるらしく、答えが返ってくる。始めテレパーシーだったのだが、私がこの空間に慣れてくると、言葉で、会話をしていた。

 恵比寿神天尊様と私は、大きな道を並んで流れるように歩いている。道は何処までも続いているようで、うねうねと右、左にカーブしながら、遠い先の方では、細くなって空に消えていた。・・・つづく。