私が、

「成仏するための要素を考えると、現世を離れて行く訳だから、やっぱり、菩提心と言うか、深層意識の中の普遍的基盤の割合が問題なわけで、物質的な感覚や相対的な感覚ではないと思いますけど。・・・その坊さんの死霊は、エネルギー不足で不自由になって、苦しんだ末に消滅していくだけでしょう。」と言うと、霊伝さんは、

「それが、死霊の中でも、心に傷のあるような者とか、意識の薄い年寄りの霊とか、迷っている若者の霊とかを集めて、団体を作って、いい加減な説法をして、生き延びようとしているんですよ。」と言う。

「なに?、死霊が死霊の命を食い物にしているの?。それは、無理なことをしますね。所詮終わりでしょう。なんか、死んでからも、安い新興宗教をやっているみたいだね。」と、私が、あきれて言うと、彼は、

「厳しい言い方をすると、死霊も人間も、行くところまで行かないと、ダメと言うか、気がつかないんでしょうね。自分が何をしているか、何をされているか、無意識同士の強い行動がどんな影響を与えているか、分かってないんですから。」と言う。私は、

「未来に障害を作っているんでしょうね。菩提心からの法則に従って、清めればいいだけなんですけど、ねぇ。」と、分かり切ったことを口走ると、彼は、

「彼らも違う方向に必死で、それなりに苦しんでいて、天然の「空」の中にまともなものがあるんだけど、素直に認めることができないんですよ。認めれば、余計に罪を感じて、いやなんでしょうね。かつての「生」で、まともにやったんだけど、失敗したとか何かで、つまずいたことがあるのかも知れませんね。騙されたとか。」と言う。私は、

「でも、いやだと思うんだったら、ある程度気づいているわけでしょ。いやということも含めて、心を見つめて、自分の魂に聞けばいいじゃないですか。ただだから、その方がいいでしょう。自分探しの旅をしてる人は、あちこちにいますよ。遍路もそうでしょう。」・・・つづく。