第五十八番遊仙寺(本尊・千手観音・おん ばざら たらま きりく)大師堂(南無大師遍照金剛)を、私が、いつものようにお参りしたら、今度は、母と娘のお遍路さんに、出会った。娘さんは、三十過ぎかな?。彼女たちも霊感を頂いているらしい。

 母親の方が、金色の納札を私に下さった。私が札を見ると、「真実の言葉を話しなさい。今日も明日も明後日も」と書いてある。黙って、私がそれを見ていると、彼女が、「その言葉は、私が、お大師様から、直接、頂いた言葉です。」と言う。そして、

「お告げがあって、今朝ね、横峰寺さんにお参りしたんですよ。そうしたら、雪が舞っている空に、石鎚権現さんが、お出になられたんですよ。それはもう、綺麗で、有り難かったですよ。」と、見上げて、喜んで話される。私も、

「凄いですねー。」と言いながら、同じように見上げて見た。すると、・・・・・・・空だった。母親は、

「私たちもね、いつか、お四国に住めればいいのにね、って、言ってるんですよ。」と、娘さんと目を合わせる。私は、

「住めますよ。」と、思わず答えてしまった。(ちなみに、一年後、彼女たちは、お四国の小さな庵に住めることになったそうな、めでたし、めでたし)・・・つづく。