そこには、スノコ板が二・三枚敷いてあり、その上に中古のバスタブが置いてあった。そして、十メートルぐらい離れたところの温泉の基地から、パイプが引いてある。そのパイプから、生温かそうなお湯が、バスタブに垂れ流しになっていた。私は、

『なるほど、確かに露天風呂だ。おじさんが言うように自作と言うのもよく分かる。嘘はない。』

、ゥンだけんどなぁーーー。

 温泉は、町が千メートルほど、ボーリングしたものみたいだ。費用は、あの故郷再生の一億円?ではないか?と言われているらしい。町の財政には、地上の建物を造るだけの予算がなくて、現状は、大きなタンクが設置してあるだけだ。政治家と役人の仕業だろう。おじさんは、

「お湯がもったいないから、みんなが入れるように、わしがバスタブを置いたんです。」と言う。私は、しょうがないから、

「はぁー。」しっかり頷いた。彼は、

「和尚、ゆっくりしてください。」と言って、ニコッとすると、車に入って、ドアをバタン。ブーン。帰っちゃった。

私は、

「あっ、あーーっ、・・・ありがとうございます・・・・・。」

 私は、あたりをきょろきょろしながら、ススキの陰で服を脱ぎ、ザブーンとそのバスタブに浸かった。

「いい気持ちだぁー。」中身はやはり温泉で、穏やかで柔らかいお湯だ。何とはなしに、おじさんの人柄が伝わってくる感じかな。それとも、私の心がおおらかに成りつつあるのかな。なんて。いいもんだぁー。汗を流させてもらう。いいきもちだぁー。・・・つづく。