高知は修行の道場なので、私の気の流れと心に屈折のないことが、自分のものとなって続いてほしいと思う。
私は、健康ランドのサウナに入り、気分上々で仮眠室の隣の部屋のソファに座って、弁当を食べた。『ついてるなぁ』と思う。
それから、体を休めるために、仮眠室らしき所に入った。そこは、映画上映用の広間で、うす暗く、部屋の一面に、数十枚のマットが引いてある。もちろんこの時間は、映画をやっていない。私は、前の方のマットに行って、横にならせてもらった。『それなりに、ゆっくり寝よう。』と、手足を伸ばして、眠りにつこうとしていた。
すると、中央の方で、バタバタと乱暴な音がしている。「なに?」と私が体を起してみると、三人の若い男性が、酔っ払って、マットの上に転がりこんでいる。しかし、そこには荷物が置いてあった。誰かが先に来て、その場所をとっておいたのだと思われる。酔っ払いの男性たちには、そんなことはお構いなしの様子だ。人がいないんだからいい、という感じだった。
しばらくすると、その場所に、足の悪い娘さんと、二人のおばぁさんが帰ってきた。お遍路さんかな?。彼女たちは、何か仕方なさそうに話している。
そのおばぁさんたちは、彼らになにも言えずに、自分たちの荷物を持って移動した。
二枚のマットが、部屋の隅の方に、かろうじて残っていたので、おばぁさんたちは、そのマットを寄せ合わせて、眠れるように工夫をしていようだ。足の悪い女の子を真ん中にして、二人でかばっているようすが見て取れた。・・・つづく。