朝は、テントが夜露でビショビショだったので、私は、タオルでソソクサと吹いて、七時ごろに出発する。海岸沿いの国道をトコトコ歩いていると、「あっ。」大阪のお遍路さんの種田さんだ。二週間ぶりかな。
彼は、問屋の三代目で、彼の代で店を閉めることになった。しかし、六十代後半でも、彼は歳にも負けないで、テントを持って、巡礼をしている。近所の八百屋のおじさんが、いきなり遍路服を着たような人だけど、私よりも足腰がしっかりしているみたいだ。
私が、早足で追いついてみると、種田さんは、大阪ら奥さんを呼んで、二日ほど高知の観光をしていたそうだ。結構楽しそうに、お遍路をしている。お金のある人はいいよね。・・・・つづく。