「シリアル・キラー展 2018 大阪」すぐ手の届く狂気(2019年6月追記アリ) | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)

*本記事は昨年8月に訪れた「シリアルキラー展 大阪」が

2019年6月より東京で開催されたことに際し、一部追記したものです。

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▼「シリアル・キラー展 2018 大阪」すぐ手の届く狂気

 

 

盆休みにわざわざ出かける場所でもないよなと思いつつ、

「生で見てみたい」という衝動には勝てず、海岸通CASOへ。

お目当ては「シリアル・キラー展 2018」。

 

 

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ホラー映画「IT」のペニー・ワイズのモデルにもなったジョン・ウェイン・ゲイシー、

「悪魔のいけにえ」のレザーフェイス男のモデルと言われているエド・ゲイン、

「ハッピーボイス・キラー」の担当者は絶対にその通り名を知っていたであろう

「ハッピーフェイス・キラー」ことキース・ハンター・ジェスパーソン、

「モンスター」でシャーリーズ・セロンが演じてオスカー像を手に入れた

アイリーン・ウォーノスなど、世界を震撼させたシリアル・キラー達の

私物や手紙、彼(彼女)等の描いた絵ばかりを集めた展示会である。

展示物は全てコレクターであるH.Nakajima氏の個人所有で、

入場者にセットで手渡されるパンフレットは、「羊たちの沈黙」で

アンソニー・ホプキンスが演じていたハンニバル・レクターの人物像に魅せられて

シリアル・キラー沼にはまってしまった自身の経歴紹介から始まっていた。

 

会場はそれほど広くなく、説明を細かく読み込まずさらっと見回るだけならば

数分で終わってしまうほどの規模。

しかし、展示物から放たれる強烈なオーラで多くの客は身動きできなくなり

説明書をじっくり読み込んでは深いため息をついて次の展示へと移る。

「気分が悪くなった」と途中で会場を出る客も数人いた。

当たり前だ、事件現場の写真こそないが

ここには事件を想起させるアイテムが溢れ返っている。

ホラー映画が何より好きで年間何本も観るし

シリアル・キラーの起こした事件についてかなり読んでいる私ですら

捜査資料のような生々しさを間近で感じられる展示会は衝撃だったし、

何度か痕跡から伸びてきた腕に胸ぐらを掴まれたような感覚に陥った。

今にして思えばあの瞬間、彼らの住む「向こう側」と

私の住む「こちら側」が繋がりかけていたのかも知れない。

安い脅しや冗談ではなく、のめり込むタイプの方にはあまりお薦めしない。

 

小さな写真一枚から伝わる殺人鬼の複雑な家庭環境、

一枚の絵から窺い知れる社会への怨みや深い孤独、

未だ捨て切れない憧れなどが次から次へと胸の中へ流れ込んできて

事件の凶暴性や非情さに憤るよりも、哀しくなる場面が多かった。

もちろん、被害者のことを想えば同情の余地など1ミリもないのだが

彼(彼女)らの生い立ちを読み、幼い頃から受け続けてきた苛烈な虐待と

不幸の連鎖を想う時、『加害者になってしまった被害者』との思いも捨て切れない。

全員のプロフィールを読み終えてみて、いくつかの共通項や類似点を見つけたりもしたが

データで括る作業が彼らを後戻り不能なモンスターにしてしまった側面もあるかと思い、

単なる分類作業に時間や労力を費やすのは

(社会的には意義のあることだろうが私は)止めた。

 

単身で来館される方が多いが予想以上に女性同士も多く、

皆がどういった感情を胸に抱いて家路につくのか聞いてみたくなった。

誰にでもは薦められないが、そうそう観られるものではないし

この手の作品に興味があって、

展示品と自分との距離を適切に保てるのであれば観ておいて損はない。

 

<追記>

 

「シリアル・キラー展 2018 大阪」は既に終了しているが

2019年6月18日より7月11日まで、

銀座のヴァニラ画廊にて「シリアル・キラー展 2019」が開催中

2019年6月14日より公開中の映画「ハウス・ジャック・ビルト」の半券提示で

値引きも受けられるので、映画の帰りに補足する意味で立ち寄るのもお薦め。

 

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「アンチクライスト」「ニンフォマニアック」と

人の深層心理に入り込み、激しく揺さぶりをかけてくる

鬼才ラース・フォン・トリアー監督5年振りの新作。

強迫観念に駆られて連続殺人を繰り返す男を主人公にした問題作。

人を殺す魅力に取り憑かれた男の12年間にも及ぶ殺人の記録を全6章仕立てで描く。

主演は「クラッシュ」のマット・ディロン。

共演にブルーノ・ガンツ、ユマ・サーマン、ライリー・キーオ。



▼シリアル・キラーを扱った映画まとめ

 

<実際の事件・未解決事件をベースにした映画>

   

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デ・パルマ、フィンチャーなど巨匠が扱うことが多く、

シャーリーズ・セロン、ヒラリー・スワンク、

ジェイク・ギレンホール、ジョニー・デップなど

出演者もかなり豪華なのが特徴。名作率高し。

この中では断トツに「モンスター」が哀しい。セロンの芝居が圧巻。

 

<キャラクター性の高いホラー映画>

   

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ホラー映画の中でも人気のカテゴリー。

ジェイソン、フレディといった人気キャラクターでシリーズ化されることも多く

心底怖いというより怖さを楽しむタイプ。「IT」や「悪魔のいけにえ」は

実際の事件をベースにしながらキャラクター性も魅力的にした希有な例。

 

<アジア系のホラー映画>

 

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震え上がるほどの狂気を感じるのは、韓国の「チェイサー」「悪魔を見た」の2本。

園子温監督xでんでんが邦画の枠をぶっ壊した「冷たい熱帯魚」も強烈。

この中でまだポップさがあるのは伊藤英明の「悪の教典」ぐらいか。

 

<笑いと戦慄が入り交じるホラーコメディ。映画「ハッピーボイス・キラー」>

 

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精神科医に通いつつ、犬1匹、猫1匹と暮らしていた青年が
ふとしたきっかけで連続殺人事件を起こしてしまうサイコサスペンス。
主演は「デッドプール」のライアン・レイノルズ。
共演はアナ・ケンドリック、ジェマ・アータートン、ジャッキー・ウィーバー。

今回の「シリアル・キラー展」を見ていたときの感覚に

最も近かったのがこの映画。

日本でも猟奇的な殺人事件が相次いで起きている中で
本作を「面白いから観て下さい」と言ってよいものかは悩ましいところだが、
犯人が逮捕され、取り調べで「心の声が聞こえて」と供述する理由とその背景を
フィクションの中とはいえ本作でうっすら理解してしまったことは事実。
 

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