海が割れない、、だと?。映画「エクソダス:神と王」 | 忍之閻魔帳

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映画 エクソダス 神と王


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▼海が割れない、、だと?。映画「エクソダス:神と王」

古典から現代版まで、あらかたのファンタジー小説を映像化し尽くした
ハリウッドが現在目を付けているのが旧約聖書モノ。
昨年公開された「ノア 約束の舟」に続き
明日より公開される「エクソダス:神と王」で描かれるのはモーゼの十戒。
「グラディエーター」のリドリー・スコット監督が3D映像を使って描くアクション巨篇で
主人公モーゼを演じるのは「ダークナイト」三部作のクリスチャン・ベイル。
血の繋がらない弟ラムセスには「キンキーブーツ」のジョエル・エドガートン。
共演にはシガーニー・ウィーヴァー、ベン・キングズレーなど。



ラッセル・クロウ主演の「ノア 約束の舟」も、私は幼い頃に思い描いていた
ノア像からは随分とかけ離れた派手さ重視のスペクタクルになっていたが
「エクソダス:神と王」もやはり同じような印象を持った。
私ぐらいの世代で『モーゼ』と言えば『十戒』であり『十戒』といえば


天童よしみの「珍島物語」(海が割れるのよ~)か


中森明菜の「十戒(1984)」か

『犬の十戒』ぐらいのもので、モーゼについても
長い白髭をたくわえた爺様が杖を掲げて海を分断するイメージが強い。

モーゼ 十戒
*モーゼと聞いて10人中9人が思い浮かべるであろうイメージ

しかし本作では、奇跡のエピソードは「避けては通れないため入れた」程度の
おまけ的な扱いで、エジプト王国の正統な継承者である弟ラムセスと
当時王国が奴隷として扱っていたヘブライ人の血を受け継ぐ兄モーゼとの
兄弟の確執に尺の大半を費やしている。
王としての資質を備えていながら、その出自が暴かれた途端に
弟より追放の憂き目に遭ったモーゼが、民衆の心を掴み、奴隷解放を掲げて
エジプトに戻るまでの長い道のりが映画の肝になっているのだ。

旧約聖書に出てくる「十の奇跡」(十の禍い)のシーンも
情勢を逆転させるターニングポイントとして登場はするが
それも兄弟の器の違い(信仰心や統率力の差)を強調する目的でしかなく
本来ならば最大の見せ場であるはずのクライマックスシーンでも、
何と海が割れないという大胆過ぎる演出がされている。
モーゼが杖を振り上げるや紅海が真っ二つに割れて道ができ、
見事に約束の地カナンへと辿り着く。
誰しもが想像(期待)しているであろうお約束のシーンですら
どれほど憎み合っても縁が切れない兄弟の絆を描いてみせるのだから
多くの人が「ズコー」となることは想像に難くない。
黄門様が印籠を紛失したために「頭が高い、この紋所が目に入らぬか」を
今週は省略させていただきますと言ったに等しいレベルの肩透かしである。
これぐらいなら、モーゼを意図的にパロディ化していた
「偉大なるしゅららぼん」の方がまだ忠実に再現したように思う。

3D映像へのこだわりは随所に見られるものの、
「ドラキュラZERO」や「ホビット 決戦のゆくえ」のように
どこかに特化した見せ方ではないので
初見では凄さが分かり辛いのも難。
シガーニー・ウィーヴァーやベン・キングズレーといった
ビッグネームにほとんど見せ場が用意されていないのも残念だった。

エンドロールで最初に「我が弟トニー・スコットに捧ぐ」と出てきた。
「トップガン」や「エネミー・オブ・アメリカ」などいくつものヒット作を撮りながら、
2012年に自ら命を絶った弟に向けて、
兄弟の確執を描いた本作でリドリーは何を伝えたかったのだろう。

全体的に「ノア 約束の舟」のバリエーション違いといった感じなので
「ノア」が気に入った方ならば劇場で観る価値はあり。
「ノア」が今イチだった方は素直にレンタル待ちでも可。

映画「エクソダス:神と王」は1月30日より公開。




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1958年公開ながら今も語り継がれる名作中の名作。
製作費回収を考えずに作ったのかと思うほどの
音楽や映像がいちいち素晴らしく、文句のつけようがない。
232分と腰がひけるほどの長尺だが、「エクソダス」の150分より遥かに短く感じる。
私は映画マニアの近所のおじさんからレーザーディスクで見せられたのが初見だった。
「ベン・ハー」と揃えて一家に一枚は欲しい作品。




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