「コーラス」と、教師ものをいくつか | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)


コーラス コレクターズ・エディション


年の瀬に向け、慌ただしく1日が過ぎていく12月。
仕事に忙殺されて精神的に疲れている方に、
「コーラス」という映画を紹介してみたい。

ジャック・ペランと彼の甥っ子であるクリストフ・バラティエという
「WATARIDORI」でもお馴染みのコンビから届けられた「コーラス」は、
この季節に観るにはぴったりな、心温まる傑作だ。
「教師と生徒」という視点は、ここ最近の作品で言えば
「スクール・オブ・ロック」や「飛ぶ教室」も同じだが、
それぞれが独特の味わいを持っている。


スクール・オブ・ロック コレクターズ・エディション

 アメリカンテイストが爆発した作品。
 下手な伏線や変化球は一切使わず、
 ジャック・ブラック演じる出鱈目な教師が
 お仕着せの進学校に通う子供達の心を鷲掴みにする。
 ラストのライブシーンは感動的で、
 コメディかと思っていた私はすっかりやられてしまった。


飛ぶ教室

 こちらはドイツ。
 「ふたりのロッテ」などを手掛けるエーリッヒ・ケストナーの小説を
 映画化した作品で、寄宿学校の生徒達が、
 偶然、彼等が尊敬する教師の青春時代を掘り起こす。
 アメリカがロックならこちらはラップとダンス。
 「スクール・オブ・ロック」ほど知られていないのが惜しい。

「コーラス」は、こちらも寄宿舎を舞台にしているが、
子供達の心はより荒んでおり、
フランス版の「スクールウォーズ」のよう、、、は言い過ぎか。
彼等に音楽の素晴らしさを教えようと奮闘する教師を
「バティニョールおじさん」でも憎めない親父を好演していた
ジェラール・ジュニョが演じているのだが、
相変わらず憎らしいほどに上手い。

力づくで泣かせようという意図はなく、
じんわりと染みていつまでも心に残るのは
イギリスの「リトルダンサー」あたりにも近い。
窓辺に咲くたくさんの小さな掌は、
今年観た映画の中でも忘れられない名シーンのひとつだ。


リトル・ダンサー コレクターズ・エディション

 炭坑夫の父と兄、祖母との4人で暮らす少年が、
 ふとしたきっかけでクラシックバレエに興味を持つ。
 「めぐりあう時間たち」のステーヴン・ダルドリーは、
 今のところ私の中で百発百中の監督。次回作が楽しみ。



主人公の少年ジャン=バティスト・モニエは
これが映画初出演であり、「サン・マルク少年少女合唱団」のソリストでもある。
次回作があるかどうかは分からないのだが、
ソリストとしても役者としても充分魅力的な逸材だと思う。

時間が許すなら4作とも観て、お国柄の違いを楽しんでいただきたい。
どれか1作だけを観るより遥かに楽しめるはずだ。

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  タイトル:コーラス
    配給:日本ヘラルド映画
    監督:クリストフ・バラティエ
    出演:ジェラール・ジュニョ、ジャン=バティスト・モニエ、ジャック・ペラン、他
   発売日:2005年12月22日
    価格:4935円(税込み)
 公式サイト:http://www.herald.co.jp/official/chorus/index.shtml
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