「ねえ今度の日曜なんだけど…」

萌波は思いきって怜に声をかけてみたのだが返ってきた言葉は…。

「あ。悪い!日曜日は用事が入っているんだ」

怜は目を見てくれることもなくそそくさと別の部屋に行ってしまった。

「ねえ睦と広海は今度の日曜日お母さんと付き合ってくれるかな?」

5歳になった睦と3歳になった広海が無邪気に遊んでいたのでなんとなく言ってみただけだったが

思わぬ返事が返ってきたことにビックリした。

「ママ。ごめんね。そのひはおともだちとやくそくしたからおうちにいないの」

真剣な目をしてたどたどしく話す睦を見ていて複雑な気持ちになりました。

「そっかそれじゃぁ仕方ないね。楽しんできなさい」

「うん」

睦と広海のとびっきりの笑顔に救われる気がした。

日曜日ひとりぼっちになった家の中で萌波は何かを決心している様子。ゆっくりソファに腰を下ろすと涙がこぼれおちた。

「一人ぼっち…もう駄目なのかなぁ」

ひとしきり泣いたら萌波はおもむろに着替え始める。

その頃怜は美弥と会っていて睦と広海も一緒に居たのだ。実は今日は怜と萌波の結婚記念日で萌波の誕生日でもある。怜は秘かにサプライズを考えていたのだ。いつのまにかすれ違ってしまって素直になることができずになってしまった自分達夫婦。もう一度あの頃の自分達に戻りたいそんな思いが動かせた。

つづく。