獅子座流星群が見える時期になると
想い出す事があるんですよね

20年以上昔の話しなんですけど
私...どう言ったら良かったのかなぁと
今でもよくそんな風に思い返してしまう想い出で

読者様の中に男性って何人くらいいらっしゃるのか...
男性が読んで下さったならきっと
こんな時はこんな気持ちで
こう言って欲しいんだよって
そんな風に思うかもしれません


結婚して間もない頃
お昼間に数時間パートを始め
その時間に一緒に働く方は年上の主婦の方が多く
1人だけ歳下の女性と
社員にも1人だけ歳下の男性がいました

歳下とは思えないくらいしっかりした彼は
お店の事を殆ど任されていて
真面目で
仕事を教えて頂きながらも
それ以外の話しなんてした事もなく

一度だけ お昼休憩に
パスタ食べる?って
作ってくれたパスタが物凄く美味しくて

パスタの茹で加減も
パパッと作ったトマトソースも
最高に抜群で絶妙で
後にも先にも
あんなに美味しいトマトソースパスタはなくて

美味しい美味しい言いながら食べて
おかわり!って言いたいのを我慢して食べ終わり

今でもよく思います
もう一度食べたいな〜って

それくらい本当に美味しかった


短い休憩時間に歳下の女性も一緒に3人で食べて
彼は私の向かいの席に座っていて

その年は獅子座流星群が大出現すると言われた年で
どこどこの山が良く見えるとか
冷えるから寝袋を!とか
世間が凄く騒いだ年で
何日後かが見えると言われていた日でした

私 流れ星を見た事がなくて
夢の1つは流れ星を見る事です


パスタも食べ終わり
休憩時間も終わる時
彼が突然言ったんですよね

「 パールさん
獅子座流星群を一緒に見に行きませんか? 」

って

それがとても真剣な感じで...
そこには3人いるのに
まるで2人しかいないみたいに言うものだから
私びっくりして...

彼の真剣な顔にドキリとしながら
ん?今なんて?と聞き直したい気持ちで
瞬き多目に彼を見てました

隣に座っていた歳下の女性も
私に負けないくらいびっくりしていて
私がなんて返事をするかを息を呑んで待っているのがわかり
びっくりドッキリしてるのも悟られたくないし
なんて事ないみたいにさらりと答えたくて
一言だけ

「 行かない 」

そう言いました


私が答える迄の僅かな時間のその表情を
彼はじっと見ていたし
私も目を逸らさなかった

はぐらかすのも優しく答えるのも嫌で
ふざけるにもふざけられない雰囲気で
まったくも〜...と思いながら
その誘い方には曖昧な返事はしない事が
彼への誠意で礼儀で
主人への誠意と礼儀でもあると思ったんですよね

本当は
どうして私を誘うの?って言いたかったし
皆んなで行こうか!って言いたい様な気持ちもありました
だけど彼がそんな言葉を望んでいないのは
私にも隣に座る女性にもわかって...

2人きりではない時に敢えて
不純じゃないみたいに堂々と誘う割には緊張もしていて
純情そうなのに強引なその態度に
何を望んでそう言ってるのか少し腹が立ったのもあって
私の「行かない」の言い方は
きっぱり断る冷たさを持ってました

背も高くお顔もカッコよくて
パスタも上手に作れちゃう彼は
誘えばきっと多くの女性が喜んでついて行きそうなのに
どこか生真面目で言葉少な気で
若くて
純情さも純粋さもわかるから
私は自分の言い方に自分が胸が痛かった分
彼もきっと痛かった気がして...


次に出勤する日
いるはずの彼の姿が見当たらず
内部事情をよく知る方が
彼は違う店舗へ異動願いを出したんだと教えてくれました

私が少し考えた顔をしていたら
「 彼はあなたの事が好きだったのよ」って
少し怒ってるみたいに言ってその場を去って行き
私...なんとも言いようの無い気持ちでした

一緒にいる時に何か感じるものがあれば
誘わせない雰囲気を作る事は出来ました
でも私わからなかったんですよね

彼と顔を合わせる事はもうありませんでした


あの時もっと大人な対応で
こらこら!独身女性を誘いなさいなって
笑って言えてたら
私を誘うなんて百万年早くてよ とか
このパスタ又食べられるなら考えちゃうあはは!とか...
そう言えてたら異動願いなんかしなかったのかなって...

獅子座流星群が現れる頃と
トマトソースのパスタを食べる度思い返します



11月18日 0時〜4時頃
東の空に獅子座流星群が見えやすいそうです

私はきっと又
あの日の彼の目と
忘れられないトマトソースパスタの味を
想い出しながら空を見上げます


流れ星を見つけられたら...

あのトマトソースパスタの味に
もう一度会えますように

あはは