夏「ええから!答えてや!!天は...天は...





死んだん...??」


唯「え...。天ねぇが...?」


保「...





まだ誰も起きていない朝。


沈黙が続く。



保「...日付けが変わるちょっと前だった...。」



しばらくして俯いていた保乃がぽつりぽつりと話し始めた。




保「天ちゃんからナースコールがあって...どっか痛くなって寝れんなったんかな思て...行ったら天ちゃんニコニコ笑顔で...。」



保「なんやぁ、また天ちゃんの悪戯か...って思いながら少し話した。そしたら...日付けが変わる瞬間だった。」



保「天ちゃんが保乃、今までありがと。楽しかったよ。って。そのまま...スッて眠ったから...寝ぼけてたのかなって思った...んだけど...」



保「なんか変な感じしたから…確認したら、もう、息をしてなかった。」



夏「っ...!!」



保「脈も...ふれんく、なってて...急いで、先生呼んだんやけど...もう...ダメだった...。」


 




保乃も


辛かったんだと思う。


保乃の胸ぐらを掴んだ私の手にぽとぽとと絶え間なく涙が落ちてくる。






ひ「ほら。だから言ったじゃん。」






ハッとして声が聞こえた方を向くといつの間にかひかるがいた。


だから保乃から手を離し、ひかるの方を向く。


夏「...!なんでなん!なんで天を...!グッ...!?」


保「夏鈴ちゃん!!!」





一発ぶん殴ってやろうと1歩踏み出した時だった。




く、苦しい...


心臓が...


息が...出来ない...


涙が...涙が溢れてくる...




突然胸が苦しくなり、私は胸を押えてその場に倒れ込んでしまった。







切れかかった意識の中


最後にぼんやりと見えたのは


泣き顔の保乃と




「思ったよりはやく仕事が終わるかもな」




と呟きながらニヤけるひかるの顔だった。