「ソンミの残した言葉とは」

 

 

「クラウドアトラス」のメインになる5話目です。

 

この二人は、物語を通して3回は結ばれているのですが、

 

決して平たんな道を歩む運命ではないようです。

 

時は統一国家の時代。 2144年、未来のネオ・ソウル。

 

主人公は悲劇のヒロイン、ソンミ451。

 

彼女は人によって作られた「合成(クローン)人間」です。

 

ぺ・ドゥナちゃん、かわいい

 

ソンミのようなクローン人間は、複製種と呼ばれ、

 

遺伝子操作により工場で作られた人間です。

 

しかし内臓もあるし血も通っているし、肉体的には人間と何ら変わりません。

 

彼女たちはファブリカントと呼ばれており、

 

徹底的な管理のもとに生きています。

 

給仕をするファブリカントとして働くソンミ達複製種

同じ顔のファブリカントが沢山います

 

ファブリカントは人間(純血種)が使役するために産み出した人間であり、

 

彼女達は生まれたときから「支配される側」という圧倒的な低位置に存在します。

 

彼女達には様々な規制があり、人間には逆らわないように、処置されています。

 

 

このような棺桶のような部屋が、彼女たちの寝床です。

 

目覚めるときは、何か刺激物を(恐らく首にはめられてる輪っかから)打たれて自動的に目覚めます。

 

そして支給される衣服に機械のような流れ作業で着替えて、

 

店の掃除や準備をし、開店したら給仕をする。

 

閉店して掃除をして、寝る前に飲む「ソープ」という飲み物を飲む。

 

たんぱく質源の液体で、これが彼女達の食事です。

 

 

毎日変わらない、判を押したような日々。

 

文句も言わず無駄口も叩かず、ただひたすらに人間に仕え続けます。

 

それが彼女たちの日常です。

 

しかし、彼女達にも喜びがあります。

 

首にしるしをつける新年の儀式

この店の支配人リー師は、ヒュー・グラント

 

新年の儀式。

 

雇い主から、首にはめられている輪っかに、1年ごとに1つずつ、星の印を付けてもらうのです。

 

その印が12個溜まったら、彼女達の「奉仕」の終わる日でもあり、旅立ちの日でもあるのです。

 

 

未来社会では、地球外の場所にもコロニーを設け、

 

そこでも人々が生活しています。

 

彼女達は首の輪を外され、地球外の場所に行き、

 

一人の人としての生活を送る事が出来るのです。

 

見送るときに彼女達が歌っている歌が、

実はクラウドアトラス六重奏だったりする

 

その儀式はとても厳かで、12年目のファブリカントを、

 

全員が祝福をしながら、歌って見送ります。

 

変わらない毎日。

 

たとえ嫌な事をされても、戒律通りに動くよう作られているので、

 

人間に対して危害を加えたり暴言を吐いたりはしません。

 

 

しかし、もともと人間のクローンから作られているので、

 

感情が無いわけではないのです。

 

そんなソンミの生活が急変する事態が訪れます。

 

ユナ939。

 

彼女はソンミを眠りからおこします。

 

 

何故起きてしまったのか分からないソンミ。

 

声のする方に歩いていくと、ユナがリー師に性的な奉仕をさせられている場面を見てしまいます。

 

本来、人間との恋愛は禁じられているファブリカント。

 

しかし、現実はユナのように性処理の対象として使われることも多いのです。

 

ユナはソープを飲んで眠ってしまったリーを確認すると、

 

 

ソンミを呼び寄せ、客の忘れ物が置いてある部屋の鍵を開けてしまいます。

 

ソンミ「戒律違反だわ!」

 

ユナ「ねぇ、純血種の生活ってどんなものなのか気にならない?」

 

そういってユナは映画が観れる小型の立体映像装置を点けソンミに観せます。

 

題名はなんと「キャビンディッシュの大脱走」

 

トム・ハンクスが映画俳優で出演(笑)

 

4話目でティモシーが執筆していた物語が、映画になってたんですね!←はい、繋がりました

 

映画俳優「不当な支配に屈するものか!」

 

ティモシーの例のセリフですね。

 

映画では、俳優はカッコよく言い捨てて、扉から出ていくワンシーンしか再生されません。

 

それでも彼女たちにとっては、物凄く刺激的な事です。

 

 

そして事件は起こります。

 

ある日、ユナに悪戯する客が出てきます。

 

反射的にユナはその客を殴ってしまいます。

 

ファブリカントが人間に危害を加えるなんてあってはならない事・・・・。

 

ユナ939「不当な支配などに屈するものか・・・・!」

 

 

映画の中のセリフを言い、彼女はその場から逃走しようとします。

 

何故なら、戒律を破ったファブリカントは、その場で殺されてしまうからです。

 

リーは何の躊躇もなく、ユナの処刑ボタンを押しました。

 

ユナの首の頸動脈は切れ、彼女は崩れ落ちるようにその場に倒れます。

 

あの首輪は処刑用の器具でもあるんですね。

 

 

そして政府の役人が彼女を「回収」しに来ました。

 

まるで「モノ」のように・・・・・。

 

そうです彼女達は「人間」と変わらない生命体でありながら、

 

全く「人権」をもたず、毎日モノのように扱われているのです。

 

そして、それに何の疑問も抱かないように、様々な制約が施され、

 

情報に触れたりしないように飼い殺しにされているのです。

 

 

ある時、また夜中に起こされたソンミ。

 

人の気配が感じるので歩いていくと、一人の男が立っています。

 

彼の足元にはリーが横たわっています。

 

隠れようとするソンミに、彼は声をかけます。

 

ヘジュ・チャン「君は、ソンミ451だろ? 僕は妖しい者じゃない。」

 

 

ソンミ「リー師は、どうされたんですか?」

 

ヘジュ「死んでるよ。 ソープの飲みすぎだ・・・・・。」

 

リーはユナを殺してしまったので、性処理をする為のファブリカントを起こしたのでしょう。

 

ヘジュ「急で悪いんだけど、君は僕と共に行かないと、殺されてしまうよ? どうする?」

 

確かに変死している雇い主の近くに、ファブリカントが居たというだけで即処刑でしょう。

 

恐る恐るヘジュの手を取るソンミ。

 

ヘジュは自分のコートを着せて、ソンミを闇医者の所に連れていきます。

 

闇医者はハル・ベリー

 

切ってもらった首輪の下に、流れ星のアザが・・・・・・・。

 

そしてヘジュは自分の部屋に彼女を連れていきます。

 

ヘジュ「ゆっくりして。 服も着替えるといい。 これは、君用の服だから。」

 

そして彼女が着替えている間に、ソンミの持っていた映画のレコーダーを修理し、

 

 

ヘジュ「ちょっと壊れていただけだから。 直したから全部観れるよ。」

 

生まれて初めて「映画」を観たソンミ。

 

彼女はヘジュの部屋で、まるで水を吸い込む砂のように、知識をつけていきます。

 

そして自分たちがいったいどういった存在であるのか・・・・・。

 

 

自分達のいる、この世界はどういった仕組みによって成り立っているのか・・・・。

 

ヘジュは下品な客とも違い、部屋の中で自分を人として扱ってくれます。

 

彼女に酷いことをしたり言ったりしたりは決してしません。

 

ソンミは眠ったヘジュの鼓動の音を聞くのが好きでした。

 

しかし、そんなつかの間の平和は直ぐに崩れます。

ヘジュの元に軍隊が差し向けられ、ヘジュとソンミは逃走を図りますが・・・・。

 

ヘジュはソンミをかばいながら応戦するものの、

 

落下してしまいます。

 

※文字数が多いため、vol.2へ