日本のNGOのネットワーキングとJANICの役割 | NGOのアナログマインド

日本のNGOのネットワーキングとJANICの役割

2007年04月16日16時01分08秒にjanicのブログ(http://ameblo.jp/janic/page-5.html#main )に投稿したものです


さて、4回目の投稿。ちょっと手を抜いたようで申し訳ありませんが、シェアというNGOの機関紙「Bon Partage(公正な分配)」134号に以下のような記事を書かせてもらいましたので、シェア(?おやじギャグ?)します。


「日本のNGOネットワークとJANICの役割」という正統派なお題をいただき、苦労しました。わかりやすくすること第一義にまとめたものです。


シェアさんのサイトはここからです。ウサギがかわいいです。


http://share.or.jp/



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日本のNGOのネットワーキングとJANICの役割



 すでに皆さんご存知のように、JANICは1987年に一部のNGOの努力によって、結成された中間支援組織です。現在では、会員数も72団体に増え、現時点では日本最大のNGOのネットワーク組織です。「JANICの役割」という、直球のテーマを頂きました。ネットワークの重要さはあまりにも当然のことであり、いまさら疑うようなテーマではありません。しかし、JANICのミッションを見直すための次期3ヵ年計画をつくっている段階ですので、今回はそのことをよく考えてみたいと思います。


 次期3ヵ年計画をつくるにあたって、「もしJANICがなくなったら、誰か困るだろうか」とよく想像してみました。JANICがなくなったと仮定して、NGOの皆さんが「困ったな」「面倒だな」と顔をしている様子が浮かんでくる場面がいくつかあります。



例えば政府が勝手なNGO支援策を始めたが、NGOの多くは不満だとします。しかし「誰が交渉するんだ?」「あのNGOの意見は一部の意見だから、代表されると困る」と言い合っている場面です。こんな時にJANICがある便利かなと感じます。つまり、NGOの「声をひとつにする」役割です。


 もうひとつ。外国の政府関係者やNGO関係者が、日本のNGOを支援するための調査で来日します。日本のNGOのことを知りたいのだが、よくわかりません。有名なNGO事務所を訪問しますが、NGOの数がいくつあるのか、活動資金・労働条件はどうなのか、どんな活動が目立つのか・・・一向にその姿がわかりません。こんな場面です。これは関心のある外部からのグループに、NGO全体を「わかりやすく見せる」役割です。


 またひとつ場面が浮かんできました。なかなか組織運営や現地活動の管理がうまくいかないNGOがあります。そんな苦労ゆえにスタッフが孤独感を感じるときがあるかもしれません。そんなときに同じ悩みをもったNGO同士が話し合ったり、情報交換したりして、自分たちの力をつけたり、方向性を確認できる場が必要ですね。これは、NGOを「はげまし、能力を高める」役割です。


 最後にもうひとつ場面が浮かんできます。あるNGOが非常にずさんな会計処理をして、社会問題になったとします。真面目にやっているNGOにとっては「NGOはこの程度だ」と言われるのは心外でしょう。あるNGOは「NGOの会計のルールを決めよう」と言い出すかもしれません。しかし、ひとつのNGOが言うのではなかなか声は届きません。そんな時JANICがあると便利です。「NGOの健全な運営ルールを決める」役割です。しかし、これは全員が納得するプロセスで決めないといけません。



 こうした働きをJANICはもっとしっかりとしたものにすることが大切なんだと思います。もっと他にもあるかもしれません。例えば、NGOが一斉にイベントをする、募金活動をする、共済組合をつくる、といった共同に活動するインフラをつくることも今後大事になるのかもしれません。



 しかし、最近のJANICは少し元気がないと時々言われます。なぜでしょうか。

私はいくつか理由があると思いますが、その1つにネットワークNGOの増加があると思います。実は2000年ぐらいから、JANIC以外にもたくさんのネットワークNGOが急速に増えてきたことです。JANICが生まれた80年代後期は、JANIC以外にも各地域にネットワークNGOが生まれました。例えば、関西NGO協議会、名古屋NGOセンターもこの頃設立されています。しかし、その後もGII、農村開発、教育、ジャパン・プラットホームなどの分野別のネットワークNGOがたくさん生まれました。JANICの役割がだんだんと相対化していったのです。さらに、いろいろなNGO研究や調査、インターネットの発達によりNGOの情報も社会にあふれるようになりました。なにもJANICに来なくても、NGOのことが大枠でわかるようになった、そして独自のネットワーク内でそれなりの効果が引き出せる時代になったのだと思います。



 こうした状況はNGOにとって当然のことであり、さらにJANICは新たな役割づくりを求められているのだろうと思います。私は3つの方向性を強調する必要があると思っています。それは「グローバルな課題の日本NGOの窓口機能」、「広く社会にNGOを知らせる」こと、そして「健全な運営ルールづくり」です。

 グローバルな課題としては、世界の貧困の問題を中心に考えるべきです。また広くNGOを知らせるためには広告代理店と連携する必要を感じています。健全な運営ルールの確立として、やはりアカウンタビリティの徹底が必要だと思っています。

 これらの問題意識は、2007年から2009年にかけての3ヵ年計画の中にもりこまれています。あまり結果をあせらず、長期的な方向を見失わずに気長に変化を作り続けることが成功のポイントかと感じています。


カトマンズの石牛