当院は無床クリニックですが、一般開業医の先生や近所の総合病院からも末期慢性腎不全患者の紹介があります。

 

最近の血液透析導入患者の高齢化が気になるところですが、多くの開業医は加齢によって腎機能が悪化するまで自分の外来で引っ張りながら、最後Crが5mg/dL近くになると気楽に

紹介してくれます。

 

「そろそろ透析かもね」と!

 

多くの高齢患者は不安でしょうがないのが現実です。

 

血液透析導入は、暦の年齢には関係は無いのですが、実際問題80歳以上の患者が紹介されて来られた時には、本人に確認する事にしています。

 

「週3回来て、ベッドに寝て血液を浄化する治療を受ける気がありますか」と。

 

多くの患者は、紹介はされたもののあまり乗り気ではない様子で当院に来院します。

 

元々の主治医からは、当院ではこれ以上診れないから。。。

 

一度行ってみて頂戴と言われて来院します。

 

 

これまで、2例の女性患者が「イヤ、イヤ」と明確に言われたので、導入せず1年くらい外来で経過を診ながら看取りました。

 

最近、85歳の男性患者で、「イヤなら透析をしないという選択もあるよ」と言ってから、つきものがおちたように明るくなった男性患者がいます。

 

しかし、現実に難しいのは、透析クリニックを運営しながら末期慢性腎不全の尿毒症状で、食事が出来なくなり、終日寝たきりになり、Crも12を超え、デーサービスの通院も不能になる患者の最後の看取りははやり大変な事です。

 

ケアマネに連絡し、医療行為のない介護保険での身体の清潔を保つ事や最低限の降圧剤の内服を介助してもらったりとすぐに動いてくださり助かっています。

 

家族も数ヶ月の経過の中で覚悟を決めているとはいえ、緊張が続くでしょう。

 

最後の外来に来られて7日が経過します。

 

さて、問題なのは週末です。

 

この週末の研究会を患者さんが乗り越える事が出来るか?

 

 

 

これまで、透析患者で発癌した患者の看取りは「在宅癌緩和ケア医」にお願いして併診してきました。

 

麻薬の使い方、家族への配慮などやはりプロの仕事です。

 

医療行為は一切ない、未導入の末期腎不全患者の看取りをお願いするべきか?

患者の家族に最後に見放されたと思われないだろか?

 

血液透析中の担癌患者でさえ、スムーズに行かない例もあります。

 

 

3年間おつきあいした88歳のしっかり者の患者さんの看取りは自分でしたいけれど、ここは思案のしどころです。