自分の行為がほんのささやかであっても、世のため人のためになっていることと実感できれば幸せだとぼくも思います。
また、たとえ年齢を重ねても目的に向かって突き進むことができる、伊能忠敬の行動力の素晴らしさを感じました。
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著者のわたしがいだいたのは、「人生にはこれですべてよし、という終わりはない」という実感でした。
人間はいくつになっても、男女の別なく、忙しい日々を過ごせることこそが幸せのものではないかと、わたしは思っています。それだけ、世のため、人のためにつくせるからです。
幸せな人生とは、ただ豊かにのんびりと暮らすことではなく、自分のしていることがささやかでも、世のため、人のためになっていると日々実感できる生き方ではないか、と思うのです。
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55歳になっていたこの日から、足掛け17年にわたって日本全国を測量して歩いた忠敬は、地球の大きさを明らかにしただけではありません。
わが国初の実測による日本全図を完成させるという、それまでだれもできなかったりっぱな仕事をなしとげたのです。
<目次>
はじめに
1 大海原と夜空の星
2 やるべきことをやる
3 人の心をつかむ
4 生き方を決めておく
5 先生は十九歳も年下
6 地球の大きさを知りたくて
7 未開の地の道なき道
8 なかなか決まらない距離
9 太陽がしずんでしまった
10 日本全国を制覇
おわりに
資料 忠敬をとりまく人びと、もっと知ろう、ゆかりのある場所 人生と、いきた時代、美術館・記念館へ行こう ほか
たからしげる さん
大阪生まれの東京育ち。立教大学社会学部卒業。産経新聞社で記者として働いているときに作家デビュー