中庭を臨む一階にもどうやらレストランがあるようだ。
閉め切られたドアの奥から演奏は聴こえる。
ビートルズの 『ヘルプ』 を演奏している。結構よく間違えている。歌詞も間違えている。
まぁ、なんとなくでいいんだ。
夜から クリスマスディナーショー があるらしい。それに向けての練習をしているようだ。
銀ネコはドア近くのベンチに腰をかけた。
ディナーショーは完全予約制で、しかも満席らしい。
隣に座った老夫婦がそう話していた。
なんだ…。残念。聴けないのか。ディナーショーだもんな。どっちみち聴けないじゃん。
まぁいいか。
そしてそのまま中庭へと出てみる。
気持ちいい…。 チョー気持ちいい。
ダメだ。なんも言えねぇ…。
などと新鮮な空気を満喫。
とてもいい気持ちなのでこのまま部屋に戻って優雅な時間を満喫するとしよう。
館内に戻ると、さっきまでビートルズだった演奏が ドゥービーブラザーズ に変わっていた。
やっぱりもうちょっと聴いちゃおう…。
もう一度ベンチに腰を落ち着け、そこから一時間ものあいだ演奏を聞き続け、
歌い続けた銀ネコなのであった。
かなり楽しみました!
つづく。

